厚生労働省によると、調査報告が始まった1979年以来、30年以上乳幼児の誤飲事故のトップは「たばこ」でした。しかし、2013年度初めて、「医薬品」がトップとなり、注意喚起が行われています。

薬の誤飲事故はどういう状況で起きているのか。事故を防止するための対策について考えます。

薬の誤飲事故

事故の具体例は以下の通りです。

  1. 3歳男児がタンスの上にあった抗てんかん薬の錠剤をお菓子と間違えて食べ、ふらつくなどして病院を受診。
  2. 1歳7ヵ月の男児が母親のバッグから風邪薬を取り出して14錠ほど食べ、軽い喘息の症状が出た。
  3. 子供が高い位置にある引き出しを開けて薬のカプセルを口に入れてしまった。

この他、降圧剤や向精神薬を誤飲して重症化したケースがあります。気になるのは、医師が処方した医療用医薬品の誤飲が増加傾向にあることです。

「中毒110番」で誤飲の相談を全国から受ける日本中毒情報センターには、5歳以下の子供の医薬品誤飲の情報が年に8000件以上寄せられています。そのうち5000件余りを医療用医薬品が占めています。7割程度が1〜2歳の事故であり、大人の真似をして薬を口に入れてしまったり、お菓子と間違えて食べてしまったりするようです。

チャイルドレジスタンス(CR)の包装容器とは?

厚生労働省は「医薬品は子供の手が届かないところに保管を」と注意喚起を繰り返してきましたが、誤飲は減っていません。そんな中、子供が開封しにくい工夫をした「チャイルドレジスタンス(CR)」と呼ばれる包装容器の導入に向けて、関係団体が検討を始めています。目指すのは、子供は開けにくいが、高齢者には使用困難ではない包装容器です。

しかし、CR包装の薬は大人でも慣れるまでは多少の開けにくさがあり、「使いにくい」と不評でなかなか普及しないことが課題となっています。家に乳幼児がいるなど、安全策が必要な人にだけCR化シートを貼るなど、臨機応変な対応が可能になることが望まれます。

今できる対策を

まだまだ、薬局でチャイルドレジスタンス(CR)の薬の容器は普及していません。乳幼児がいる家庭では、薬の誤飲事故を防ぐために保護者が各々対策を取る必要があります。薬を子供の手が届かない高い位置に保管するのはもちろんですが、できればタンスの引き出しに鍵をかけるなど、対策は万全にしたいものです。

特に注意したいのが、バッグに薬を入れたままその辺に置きっぱなしにすることです。病院から帰ってきて、薬入りのバッグをその辺のソファの上などにポンと置いて、夕飯の支度などしていませんか?誤飲事故の多くは、9時〜11時、18時〜21時など、家族が忙しい時間帯に起きています。

ミルクやお菓子などをよくバッグに入れて持ち歩くお母さんは特に要注意です。子供はお母さんのバッグにはお菓子が入っていると思って、お母さんが目を離した隙に、バッグの中の薬を勝手に食べてしまうかもしれません。バッグのチャックはきっちり閉じる。忙しい時こそ注意して、病院から薬を持ち帰ったら、すぐに安全な保管場所に移すことを習慣づけましょう。

【参考文献】
※熊本日日新聞総合版平成27年5月1日「子どもの誤飲 医薬品が最多」
※熊本日日新聞総合版平成29年1月12日「社会で防げ 薬の誤飲」
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