「子供を産めば、母乳は自然に出るもの」と思っていたら、思いがけず母乳不足に悩まされたり、逆に母乳が出すぎて乳房が痛かったり、乳腺炎になっってしまったり……。

母乳育児は、誰でもスムーズにいくとは限りません。特に知識がないままスタートすると、思わぬ乳房のトラブルに悩まされることがあります。
これから出産を迎える方で母乳育児を希望される方は、授乳に関する基礎知識を是非知っておきましょう。

妊娠中の乳房のケア

妊娠中、乳房は授乳に向けてどんどん変化していきます。妊娠経過が順調なら、16週に入った頃から乳房のマッサージを始めて問題ありません。授乳の準備をするために、痛くない程度に優しく行いましょう。オイル湿布などをして乳頭を柔らかくし、赤ちゃんが吸いつきやすいようにケアしましょう。こうすることで、授乳による乳頭の怪我など、トラブルが起きにくくなります。

ただし、マッサージでお腹が強く張ったり、流産や早産が心配されるような場合はやめておきましょう。そういう場合は出産が近づいた36週くらいから始めるようにします。

母乳不足の場合

基本的に母乳は、赤ちゃんに直接いっぱい吸ってもらうことで、どんどん作られる量が増えていきます。
授乳する前に肩をほぐしたり、おっぱいをマッサージしたりして、体の血行を良くしましょう。痛いほど強くマッサージするのは間違いです。優しく胸の付け根からしっかり行いましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんはあまりたくさんは飲んでくれません。授乳が終わったら、乳房に残った母乳を搾乳しましょう。こうすることで、もっと母乳を作る体へと変化していきます。乳房に母乳が残ったままだと、これ以上母乳を作る必要はないと体が判断して、母乳の分泌量が減ってしまいます。

あとは、バランスのとれた食事をとり、出産後の体力の回復に努めましょう。母体が健康でなければ、母乳育児はできません。

最後に、いろんな努力をしても体質的にどうしても母乳の分泌量が少ないお母さんもいます。そういう方は、不足分をミルクで補いましょう。栄養面でミルクが劣るということはありませんので、安心してください。

乳房のトラブルと予防法

授乳中に多いトラブルは、乳腺炎です。
乳腺炎は、乳房に母乳が長時間たまったままだと起こりやすくなります。母乳が詰まり、乳房にしこりができたところに細菌感染するのが原因です。乳房の一部がズキズキ痛み、熱を持ってきます。

乳腺炎になってしまったら、痛む方の乳房を冷やして、早めに医師に相談しましょう。授乳はできますが、温めたり、マッサージしたりするのは避けましょう。悪化する前に早めに病院へ行くことをおすすめします。

乳腺炎を予防するためには、授乳後に乳房に飲み残しの母乳がたまっていないか確認し、残っている場合は搾乳することです。乳房に母乳が長時間たまっていると、母乳が詰まりやすくなります。長時間赤ちゃんと離れる場合は時々搾乳して、乳房が痛むまで放っておかないことが大切です。

特に母乳量が多いお母さんは乳腺炎に気を付けましょう。

【参考文献】
※『ミルキーママの自分でできるおっぱいケア』山川不二子著、メディカ出版、2011年(改訂3版)
※『桶谷式 母乳で育てる本』桶谷式乳房管理法研鑽会(編集)、主婦の友社、平成14年
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