震度7を2回立て続けに記録した熊本地震から1ヵ月半が過ぎました。その後も余震が長期間続き、2016年4月14日〜5月29日までの地震回数は1600回を超えました。

心のケアが必要な熊本県内の小中学生は3600人という調査結果が出ており、特に被害が大きかった地域の学校では児童生徒の2〜3人に1人が該当しています。今後、必要とされる心のケア、対処法について考えます。

地震によるストレスで、子供にはどんな影響がある?

熊本地震の後、子供たちは拍手の音やトラックが通るときの揺れなどに敏感になり、地震ではないかと怖がるようになりました。「地震が怖くて夜眠れない」「地震が怖くて家に入れない。夜は車で寝たがる」という話を聞きます。目の前で家が倒壊するのを見た子供たちにとっては当然の反応です。

一人でトイレに行けなくなったり、気持ちが落ち着かずにちょっとしたことでイライラしてしまう子供もいます。赤ちゃん返りしたり、親に甘えたがるのはごく自然な反応です。中には「今のは震度4です」「すぐに避難してください」など、「地震ごっこ」を始める幼稚園児までいて、大人はびっくりしてしまいます。しかし、これも子供なりに気持ちを整理するためにしている行動なので、無理にやめさせるのは良くないそうです。何度も繰り返して心配な場合は、他の遊びに誘うなど気持ちを他に逸らすと良いでしょう。

その他、ストレスで体調を崩す子供たちも大勢います。食欲不振、腹痛、下痢、吐き気、頭痛、睡眠不足、怖い夢を見る、おねしょをするようになったなど、身体に様々な変化が生じています。

周囲の大人が取るべき対応は?

震災によるショックで子供たちが「急性ストレス障害」を起こしても、多くの場合は一時的な症状で、時間の経過とともに少しずつ回復していきます。大切なのは、生活を再建し、規則正しい日常生活を取り戻して、環境を安定させることです。

子供が甘えたがるときはしっかり受け止め、安心感を与えましょう。体を動かして遊んだり、楽しいスキンシップの時間を作ってあげましょう。

地震で経験したことを無理やり聞き出すのは、傷口を広げることになるので絶対にやめましょう。子供が自然に話し出すのを待ち、その時にはしっかりと聴いて気持ちを受け止めてあげましょう。あれこれ意見を言うのではなく、「大変だったね」と聞いてあげるだけで十分です。

自分のせいで家族が死んだと思い込む子もいるので、「あなたのせいではない」としっかり伝え、自己肯定感を回復させるよう努めましょう。

長期的に見守っていこう

阪神大震災では、「心の健康」に配慮を必要とする児童生徒は震災3年後に4100人、8年後でも1900人に上り、震災後の心のケアには長期的な支援が必要なことが分かっています。

一時的な「急性ストレス障害」が心的外傷後ストレス障害(PTSD)に移行する場合もあり、注意深い見守りが必要です。震災後しばらくは症状が現れなくても、1〜2ヵ月後、生活が落ち着いて緊張が解けた頃に心の問題が出てくる子供もいます。被災した親に心配をかけたくないと我慢してしまう子供もいます。周囲の大人は子供が安心できる環境作りに努め、それでも気になる症状が長引く場合は、学校に相談しましょう。スクールカウンセラーと面談することもできます。

【参考文献】
※熊本日日新聞平成28年5月12日「安心感と肯定感 回復を」
※熊本日日新聞平成28年5月22日「災害時 子どものケア 体験 無理にきかないで」
※熊本日日新聞平成28年5月31日「心のケア 3600人必要」
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