人と話すのが苦手だったり、注意力が少なかったり、学習障害のために字を書くのが苦手だったり……。発達障害がある子供は、学校生活や学習面で大きな困難を抱えています。症状は一人ひとり異なるため、学校では個別の配慮や対応が望まれます。
発達障害児の教育について考えてみます。

医療機関、相談機関と連携して対応する

発達障害が比較的重度の場合、1歳6ヵ月健診や3歳児健診などの乳児健診で気付かれることがあります。学習障害などの場合、小学校入学後に初めて発達障害に気付くことも珍しくありません。

まず、保健師に相談したり、かかりつけの小児科に相談すると良いでしょう。必要があると判断されれば、別の病院を紹介してもらえます。児童精神科を受診する選択もあります。近くに児童精神科がなければ、大学病院や総合病院の精神科などになります。

しかし、発達障害児へのサポートは毎日の生活の中で行われるのが望ましいので、有名なクリニックでたまに指導を受けるより、身近で利用しやすい相談先を見つける方が良いでしょう。

地域の相談機関、療育センター、特別支援のための教育機関などと頻繁に連絡を取り合い、その子にとって最も学びやすい環境を探しましょう。

発達障害児の教育

学校や教育の場において、発達障害児には個別の配慮と対応が望まれます。
不慣れな環境やストレスでパニックを起こす子には、カーテンで仕切ったリラックススペースを用意したり、別の部屋で休ませるなどして落ち着くのを待ってください。無理に押さえつけたり、大声で叱ったりすると逆効果になります。

特異な行動からいじめの対象になることが少なくありません。理解者が本人に代わって断ったり、解決に導いたりするような支援が必要です。
あいまいな指示は伝わりにくいことがあるので、具体的に、一つずつ伝えましょう。言葉の説明より視覚的な理解が得意な子には、スケジュール表や絵カードなどを使うと伝わりやすくなります。

叱らず、良い行動を褒めることで、望ましい行動を少しずつ増やしていきましょう。
注意欠陥多動性障害(AD/HD)の子は注意力が少ないため、集中しやすい環境を整えてあげることが大切です。周囲の刺激を減らすために、教室の壁の不要な掲示物を外しましょう。教室では、気が散りやすい窓際や出入り口付近の座席は避け、最前列中央の席などを用意しましょう。

授業のユニバーサルデザイン(UD)化

自閉症の子は視覚で考える傾向があるため、授業の際、先生ができるだけ黒板に書いたり、電子教科書を使って示したりすると効果的です。
このような工夫は授業のユニバーサルデザイン(UD)化と呼ばれます。UDとは、建築用語の一つで、障害のある人や異文化で育った人でも分かりやすく利用可能な施設のデザインにすることです。この考え方を通常学級における授業の進め方に応用し、発達障害のある子供の支援につなげる取り組みが始まっています。

また、現在注目されているのは、発達障害児の教育にタブレットを取り入れることです。例えば、ノートに書いて字を覚えることが苦手な子が、タブレット画面に指で書いたらすぐに覚えられたり、人に向かって話せない子が、タブレット相手なら話せたりする例があります。字が読めない子にはタブレットの音声読み上げ機能を活用するのが有効です。

発達障害による困難をテクノロジーによって補い、支えることが今後期待されます。

適切な就学先を選ぼう

発達障害児の就学に際しては、通常学級にこだわらず、十分な支援を受けられ、細やかな対応をしてもらえる教育機関を選ぶことが大切です。
発達障害には様々な症状があり、一人ひとり異なります。すべてを通常学級で学ぶ子もいれば、苦手な科目だけ別に授業を受ける子もいます。他には特別支援学級や特別支援学校という選択があります。

学校に特別支援コーディネーターの先生やスクールカウンセラーがいて、勉強や学校生活のサポートをしているところもあります。入学前に学校での支援体制を聞いたり、相談したりすると良いでしょう。

【参考文献】
※『もしかして、うちの子、発達障害かも!?』岡田俊、PHP研究所、2009年
※『子どもの発達障害と情緒障害』杉山登志郎[監修]、講談社、2009年
※熊本日日新聞総合版平成26年4月5日「こころノート 大切な教室の環境づくり」
※熊本日日新聞総合版平成26年9月20日「こころノート 授業のUD化で支援を」
※熊本日日新聞総合版平成27年7月10日「話すこと、書くことが苦手…発達障害児の教育」
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