妊娠中に気を付けたい感染症 〜 母子感染を防ぐために

何らかの微生物(細菌、ウイルスなど)がお母さんから赤ちゃんに感染することを「母子感染」と言います。

妊娠前から元々その微生物を持っているお母さん(キャリアと言います)もいれば、妊娠中に感染するお母さんもいます。

妊娠中に感染すると赤ちゃんに何らかの異常が生じたり、流産や死産しやすくなる感染症もあり、注意が必要です。

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妊婦健診で調べる感染症

妊婦健診で調べる感染症は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、人免疫不全ウイルス(HIV)、梅毒、風疹ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)、性器クラミジア、B群溶血性レンサ球菌(GBS)などです。

近年問題となっているのは、現在20〜30代の男性で風疹の免疫がない人が大変多いということです。
2012年には風疹が流行しました。男性は妊娠しないから関係ないということにはなりません。風疹になると身近にいる妊婦に感染させてしまう危険性があるからです。

妊娠初期に風疹に感染すると、白内障、先天性心疾患、難聴などの障害がある赤ちゃんが生まれることがあります。これから妊娠を目指している方で免疫がない方(風疹の抗体検査で、免疫があるか調べられます)は、妊娠前に予防接種を受けておきましょう。身近にいる免疫のない家族にも予防接種を受けてもらうとより安心です。

また、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)は母乳を介して母子感染するウイルスです。母子感染を予防するために、平成22年の秋から新しく妊婦健診の検査項目になりました。

先天性トキソプラズマ症

妊婦健診の主な検査項目に入っていなくても、妊娠中に気を付けたい感染症は色々あります。先天性トキソプラズマ症もそのひとつです(抗体検査を実施している産婦人科施設は半分程度)。

人が感染しても通常はほとんど症状は出ませんが、妊娠中に初めて感染した場合は流産や死産の原因になります。また、生まれた赤ちゃんが水頭症や脳内石灰化、視力障害、精神運動機能障害などを伴う先天性トキソプラズマ症になる可能性があります。

主な感染経路は猫のふんです。汚染された土壌を介して馬やネズミ、豚や牛などに感染します。ガーデニングなどで土いじりをすることで感染することがありますので、未感染の妊婦は注意しなければなりません。手袋をして作業後は丁寧に手を洗うなど、しっかり気を配りましょう。

また、ユッケやレバ刺しなどの肉の生食でも感染する恐れがあります。食肉中のトキソプラズマは肉の中心が67度になるまで加熱しないと死にません。未感染の妊婦はレバ刺しや馬刺し、レアステーキ、生ハムなど、加熱不十分な肉を口にはしないようにしましょう。

サイトメガロウイルス感染症

サイトメガロウイルスの先天感染症は赤ちゃん300人に1人くらいいると言われていますが、妊婦に対する抗体検査や説明は積極的には行われてきませんでした。
サイトメガロウイルスは健康な人が感染してもほとんど症状は現れません。しかし、このウイルスに対する免疫がない女性が妊娠中に初めて感染すると、約40%の確率で胎児に感染します。感染しても多くは正常に発達しますが、時には赤ちゃんに難聴や精神遅滞、運動障害などを引き起こします。

以前はほとんどの妊婦がこのウイルスに対して抗体を持っていましたが、現在は抗体を持たない妊婦の割合が増えており(妊婦全体の3割程度が抗体を持たない)、妊娠中に初感染する妊婦が増える傾向にあります。

感染は子供の唾液や尿に触れて起こることが多いため、オムツ交換の後や子供のよだれを拭いた後はこまめに手を洗う、子供の食べ残しを食べないなどの予防対策を行うことが必要です。

サイトメガロウイルスの抗体検査は任意なので、気になる場合は自分から医師に検査を頼みましょう。抗体がない場合、妊娠中は感染予防に努める必要があります。

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