小学校に入学すると、一年生は自分の足で歩いて登校するようになります。
普段何気なく歩いていると分かりませんが、実は、意識して探してみると、道路には子供にとって危険な場所がたくさんあることに気づきます。
今回は、歩いて登下校するようになる新一年生のために、通学路の安全について考えます。
交通事故に遭わないために
親子で通学路を歩いてみましょう。その際、子供にとって危険な場所はないか、周囲を確認しながら歩きます。
歩道がない狭い道路、塀や植え込みで見通しが悪い道、信号がない横断歩道など、気をつけるべき場所がたくさん見つかると思います。
歩く時間帯も大切です。できれば、子供が登校する時間帯と下校する時間帯の両方を歩いてみることをおすすめします。すると、朝の登校時間は中高生の自転車がたくさん通って危ないことが分かったり、近くに工事現場があって、下校時間はダンプカーが頻繁に通ることが分かったりします。
ひとつひとつ危険な場所を確認し、子供にどう注意すべきか教えてあげましょう。
身近に潜む危険を意識しよう
大人にとっては問題なくても、小さな子供にとっては注意が必要なものが身近にたくさんあります。
例えば駐車場のポールと鎖は、子供が引っかかりやすい高さにあります。子供は視界が狭いので、気づかずに通ると危険です。ガードレールや柵も、小さい子は下をすり抜けて通ってしまうことがあります。登下校中、子供同士で悪ふざけして通り抜けると危険です。
その他、様々なものの劣化が問題になることがあります。子供はよく一段高い場所を通りたがりますが、縁石ブロックが劣化してグラグラしていることがあります。側溝の蓋がずれていたり、マンホールの周囲のコンクリートが劣化していると、子供は足を引っ掛けて転んでしまうことがあります。側溝の蓋が破損していて大きな隙間があると、足がはまって抜けなくなることもあります。
このように、子供の視点で意識して見てみると、身近にたくさんの危険が潜んでいることが分かります。
防災の観点から見直そう
防災の観点から通学路を見直すと、改めて気づくことがたくさんあります。
熊本地震や大阪北部地震でブロック塀の倒壊によって死亡者が出たのは記憶に新しいことです。ブロック塀は個人が設置していることも多く、その強度は様々です。中には地震で崩れる恐れがあるものもあります。通学路にブロック塀があるなら、地震が来たときはすぐに離れるよう子供に教えておきましょう。
その他、自動販売機なども、ビス止め部分が劣化している場合は地震で倒れる恐れがあります。都市部の場合はビルの外壁やガラスが上から落ちてくることも考えられますので、地震の際はどこへ避難するか話し合っておきましょう。
大雨や台風のときに近づいてはいけない場所も確認しておきましょう。通学路に、雨の日に水が溜まりやすい場所があるときは要注意です。大雨で増水し、側溝がどこにあるか分からなくなることがあります。親子で側溝の場所を確認して、「雨の日は絶対近づかない」ことを約束しましょう。