日本の新生児医療は世界最高水準

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2018年10月、258gで生まれた長野県の男児が、半年後に3400g近くまで成長して無事退院し、大きな話題となりました。

日本の新生児医療は世界でも最高水準と言われ、これまでは助からなかった小さな命が救われる時代になっています。

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日本の新生児医療

妊婦のお腹の中で育ちきれずに生まれてしまった赤ちゃんを救うのが、新生児医療です。日本は現在、赤ちゃんが世界で最も安全に生まれる国と呼ばれています。

2018年2月に発表された国連児童基金(ユニセフ)の報告書によると、日本の新生児死亡率は1000人当たり0.9人で、世界各国の中で最も低い水準です。2位がアイスランドで1.0人、3位がシンガポールで1.1人となっています。一方、中央アフリカは42.3人、パキスタンは45.6人と、日本に比べて新生児の死亡率がとても高くなっています。

新生児の死亡原因の多くが早産や出産時の合併症、肺炎などの感染症といわれます。死亡率が高い国では、衛生状態も問題になっています。

超低出生体重児とは?

超低出生体重児とは、生まれたときの体重が1000g未満の赤ちゃんのことをいいます。日本では医療の進歩で救命率が上がり、今では9割が助かります。しかし、体重が少ないほど命の危険が高くなり、脳障害や呼吸障害、失明など、重い合併症を抱えることが多くなります。

赤ちゃんは通常、母親のお腹の中で37~42週を過ごし、2500~4000gで生まれます。しかし、母体や赤ちゃんに何らかの異常があって成長が止まると、低体重で生まれてしまうのです。

低体重になる原因は様々です。母体側の原因としては、妊婦がやせていて栄養不足であること、若すぎる妊娠、高齢出産、妊娠高血圧症候群、喫煙、胎盤のサイズや位置の異常などが挙げられます。胎児側の原因としては、双子であること、胎児の染色体異常、先天性感染症などが挙げられます。また、母体や胎児に異常がなくても、外発的な要因で早産になれば、赤ちゃんは育ちきらずに生まれてしまいます。

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医療技術の進展

以前は、早産児の死因の大半が肺呼吸できないことでした。赤ちゃんは生まれるまで、へその緒を通じて母親から酸素を受け取っています。しかし、生まれた瞬間に肺呼吸に移行しなくてはいけません。肺が未成熟の早産児にはこれが難しく、そのため赤ちゃんの多くが亡くなっていました。

その後、肺を膨らませて呼吸を促す薬が日本で開発され、1980年代に実用化されます。世界的に早産児の救命率が上がり、小型の人工呼吸器の開発も進んでいきます。

超低出生体重児は体温の調節や体内の水分維持が難しく、入院中は細心の注意が必要です。新生児集中治療室(NICU)の保育器は無菌状態に近く保たれ、皮膚からの脱水を防ぐために加湿機能もついています。その中で、赤ちゃんは手足の血管やへその緒からチューブで栄養や水分を送られ、大きくなっていきます。近年、家族が赤ちゃんに触れたり、話しかけたりすると赤ちゃんの容体が安定したり、発達を促す効果があることが分かってきました。

2019年5月時点で、体重が300g未満で生まれて無事に退院することができた赤ちゃんは世界で26人。そのうち10人が日本で、世界各国の中で最も多くなっています。

参考文献
※熊本日日新聞2019年6月19日「超低体重児 救う奇跡」
※熊本日日新聞2018年2月20日「赤ちゃん安全 日本1位」
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