子供にカフェイン入りの飲み物を飲ませるのは良くない。そう思っている親は多いと思います。
しかし、なぜ良くないのか、どんな影響が心配されるのか具体的に知っている方は少ないのではないでしょうか。
今回は、カフェインが子供に与える影響と、注意すべきカフェイン入り飲料についてご紹介します。
カフェインの影響
コーヒーなどのカフェイン入り飲料は大人にとっては嗜好品で、適量ならリラックス効果が期待できます。しかし、小さな子供にとっては脳を興奮させる異常な刺激となり、気分が不安定になったり夜眠れなくなったりするなどの悪影響が出ます。
特に6歳までは脳が発達する大事な時期です。日本にはカフェインの摂取量について基準がありませんが、摂取量を厳しく制限している国もあります。例えばカナダでは、4~6歳の子供で1日最大45mgとしています。これは、だいたいインスタントコーヒー1杯の半分に含まれるカフェイン量です。
大人でも1回200mg以上のカフェインを過剰摂取すると、中枢神経の刺激によってめまい、興奮、不安、震えなどの症状が出る恐れがあります。不眠症や頭痛、イライラの原因にもなります。
世界保健機関(WHO)は2001年、妊婦のコーヒー摂取は1日3~4杯までと呼びかけました。子供はカフェインに対する感受性が高いことが知られています。妊婦や授乳中の女性もカフェインの摂取量には注意が必要です。
知らず知らずのうちにカフェイン入り飲料を飲んでいる?
わざわざカフェインを子供に摂らせようという親はいないと思いますが、実は知らず知らずのうちにカフェイン入りの飲料を子供に飲ませている親がたくさんいるようです。
2018年、「アサヒ飲料」が3~5歳の子供を持つ20~40代の女性1030人を対象にインターネット調査した結果、3人に1人がカフェイン入り飲料を子供に飲ませていたと回答しています。
子供が最も多く飲んでいたカフェイン入り飲料は1位緑茶、2位ほうじ茶、3位コーラ、4位コーヒー牛乳となっています。
コーヒーは避けていたが、その他の飲み物はカフェインが入っているとは知らず飲ませていたという母親が多いようです。
飲料中のカフェイン量は次の通りです。
- インスタントコーヒー(1杯分) 80mg
- コーヒー(100ml) 60mg
- 紅茶(100ml) 30mg
- 緑茶(100ml) 20mg
- ほうじ茶(100ml) 20mg
- ウーロン茶(100ml) 20mg
- 玄米茶(100ml) 10mg
中でもほうじ茶にカフェインが入っていると知らない人が多かったそうです。ほうじ茶は緑茶の一種で、煎茶や番茶、茎茶を焙煎したものです。そのため緑茶とカフェインの量は変わりません。
注意すべきこと
カフェイン摂取量の目安はありますが、カフェインに対する感度は個人差が大きいため注意が必要です。少量でもお腹を壊したり、気分が悪くなったり、眠れなくなったりする子供はいます。
また、ココアやチョコレートなどに含まれる「テオブロミン」という成分は、カフェインと似た作用があります。過剰摂取すると興奮するなど影響が出ます。特に、最近流行の高カカオチョコレートは摂取量に注意が必要です。
ペットボトル(500ml)で緑茶や紅茶、コーラなどを飲む習慣があると、子供はカフェインを摂り過ぎてしまいます。コーヒー以外にもカフェインが入っている飲み物がたくさんあることを知り、子供が小さいうちはできるだけカフェイン入りの飲み物を避けるようにしましょう。
水や麦茶など、カフェインが入っていない飲み物を習慣づけるようにしたいものです。
・育児の新常識 子どものカフェインマネジメント(アサヒ飲料)