そのうち治ると思って様子を見ていたけれど、4~5歳になっても子どもの滑舌が悪くて気になる。このままで大丈夫かしら?そんな悩みを時々聞きます。
今回は、子どもの滑舌が悪くなる原因や、滑舌を良くするために自宅ででできるトレーニングについてご紹介します。
滑舌が悪くなる原因
滑舌が悪くなる原因として、舌小帯短縮症、難聴、口の周りの筋肉が発達していない、などが考えられます。
舌小帯短縮症は、舌の裏側についている舌小帯の長さが短かったり、適切な位置についていないために舌が動かしにくくなり、発音がしにくい状態であることをいいます。舌を上手に動かすトレーニングで症状が改善しますが、重度の場合は舌小帯を切る手術が行われることもあります。
難聴の場合は、早期に気付いて補聴器を使ったり、「ことばの学校」に通ってトレーニングすることで発音の改善が見込めます。
舌や口の周りの筋肉が発達しないのは、普段口数が少なかったり、軟らかいものを食べる傾向があると考えられます。この場合、滑舌トレーニングを毎日の生活に取り入れることで大きな改善が期待できます。
滑舌を良くする練習をしよう
滑舌トレーニングは気長にコツコツ続けることが大切です。そのためにも、子どもが遊び感覚で楽しめる内容にしましょう。
- 絵本を朗読する、歌を歌う
- シャボン玉を吹く、風船を膨らませる
- 硬いものを食べて顎を鍛える
- 周囲の大人がお手本となる発音を心がける
口の周りの筋肉を発達させることが、滑舌を良くします。大きな、はっきりとした声を出すことを意識して朗読したり、歌を歌うことが効果的です。
遊び感覚でできるトレーニングの例として、シャボン玉を吹いたり、風船を膨らませるという方法があります。風船を膨らませるのはかなり力が必要ですので、最初は無理をせず、少しずつ慣らしていきましょう。その他、ストローで水をブクブク言わせたり、笛を吹くのもトレーニングになります。特に、普段口呼吸で口が半開きのお子さんにおすすめのトレーニングです。
周囲の大人が注意したいのは、大人自身の滑舌チェックです。子どもは家族や周りの大人の声を聞いて発音します。周囲の大人の滑舌が悪いと、子どもの滑舌も悪くなってしまいます。子どもがしっかり聞き取れるように、お手本となる発音を心がけましょう。
大人も子供も楽しめる滑舌チェックのアプリを利用するのもおすすめです。
困ったときは相談しよう
5~6歳を過ぎても滑舌が悪く、発音がはっきりしないまま喋る癖がついていると、矯正に時間がかかるようになります。小学校入学後は滑舌が原因でクラスメイトにからかわれたり、それが原因で口数が減ってしまうなど、悪循環に陥ることがあります。
お子さんの滑舌の悪さに気付いたら、遊び感覚でできるトレーニングをすぐにスタートさせましょう。それでもなかなか改善しないという場合は、かかりつけの小児科で相談したり、「ことばの教室」に通わせることもできます。市役所の保健師や療育センターにいる言語聴覚士にも相談もできます。
悩んだときは一人で抱え込まず、幼稚園や保育園の先生などに尋ねてみるのも良いでしょう。