母親が家事をしている横のリビングで、1歳児がスマートフォンの動画に夢中。大人が教えなくても、自分でタブレットの画面を指でスワイプして切り替え、アプリを起動させる2歳児……。
近年、スマホやタブレットを利用する幼児がどんどん増えています。幼児がネットを利用する際、どんなトラブルに注意すべきでしょうか。
10歳未満のインターネット利用状況
2017年の内閣府の調査によると、10歳未満のネット利用率は39.2%です。1歳では9.1%ですが、2歳で28.2%に急増し、年齢が上がるにつれて上昇します。9歳では65.8%となり、幼い頃からインターネットを使う子供たちが多いことが分かります。
また、ネット利用の安全教育に取り組んでいるNPO法人「イーランチ」のアンケートによると、2~6歳の約半数がスマートフォンやタブレットを習慣的に使っているとの調査結果が出ています。この調査では、保護者のスマホ利用時間が長いほど、子供のスマホ利用時間も長くなる傾向が表れています。
何を利用しているかというと、0~2歳児は機器内の写真や動画の閲覧、3~6歳児はネットで動画閲覧、ゲーム、知育アプリなどが多くなっています。
保護者が子供にスマホを使わせている主な理由は「子どもの機嫌が良くなる・喜ぶ」や「保護者の手を離れる時間ができる」などです。家事の忙しいときに子供が静かに遊んでくれることを歓迎している親も多そうです。
どんなトラブルが起きている?
小さな子供が無警戒にインターネットを利用することで、様々なトラブルが報告されています。
一番多いトラブルが、動画やアプリに熱中するあまり、注意してもやめないというものです。夜も遊びたがってなかなか寝なかったり、スマホを取り上げると怒りだしたり泣き出したりして大変、ということもあります。ネット依存が心配ですし、視力低下も心配されます。
また、インターネットできる状態で子供をほったらかしにしておくと、次々サイトを開いて有害なサイトを開き、閲覧してしまうことがあります。小さな子供は善悪など理解せず見てしまいますから問題です。
その他、親が設定したパスワードを解除してしまったり、親が知らないうちに子供が課金してしまって料金を請求されるなどのトラブルも起きています。
親子でルールを決めよう
乳幼児が動画やゲーム、知育アプリに熱中するのは面白いからです。しかし、安易にインターネットを利用させたままにしていると、思わぬトラブルを招くことがあります。
子供が小さいうちは物事の善悪も判断できませんし、抑制もできません。子供がネット依存にならないためにも、だらだら使わせるのではなく、使用時間を決めて使わせましょう。子供が変な動画を見ていないかチェックする、アプリを利用するときは大人が選別してインストールするなど、しっかり親が管理しましょう。
子供が5~6歳になって物事が理解できるようになったら、親子でルールを決め、守らせるようにしましょう。破った場合は使用を禁止するなどのペナルティも必要です。
子供の成長に合わせてネット利用の注意点、禁止事項などを削除したり追加したり、親子で話し合いながら上手に利用できるように学んでいきましょう。
※熊本日日新聞総合版2015年1月9日 スマホやタブレット使用頻度 幼児の約半数「習慣的」
※熊本日日新聞総合版2017年3月2日「スマホ 低年齢化進む」
・NPO法人「イーランチ」