浴室は家の中で最も事故が多い場所です。
特に高齢でなくても浴室では、滑って転んだり場合によっては溺死などという不幸な事態が起きる場所でもあります。
シニアの浴室事故を防ぐ入口
年齢を重ねていって足腰が弱くなってくると浴室の入り口での事故が増えます。
古い家屋では浴室は一段下がって設計されています。水が浴室外に出ることを防止するためです。
しかし、この段差が浴室事故の原因になることは少なくありません。
浴室の床は往々にして滑りやすくなっています。
おぼつかない足で一歩段差をおりるタイミングで滑って転倒してしまう事故が多いのです。
この場合の事故は骨折など大きな怪我につながります。というのも、床の材質や段差の材質がタイルなど固い材質が多いからです。
浴室の入り口は必ずバリアフリーにしてドアは引き戸にしておきましょう。
開閉式や折りたたみ式のドアだと、押すたり引いたり体のバランスを崩しやすい姿勢をしなければならないので転倒リスクは高まります。
また、浴室の入り口は広めにしておかないと入浴介護を受けるようになった時にシャワーキャリーなどの出入りが不便になってしまいます。
広めの引き戸が浴室のドアの基本です。
シニアの浴室事故を防ぐ床材
特に高齢でなくても浴室は滑りやすい所です。常に濡れていますし、洗剤が床に流れることも多いのですから。
浴室の床材は滑りにくいものを選びましょう。
最近は速乾性の床も開発されています。
シニアの浴室事故を防ぐ壁材
浴室の壁はカビ防止のためにつるつるの素材が使われていることが多いようですが、できるなら凸凹の多い素材にしましょう。
何かの弾みで手をついた時にすべって転倒するのを防止できます。
シニアの浴室事故を防ぐ手すり
浴槽周りや壁に手すりをつけましょう。浴槽では手すりを持つときにも手が濡れています。
つかみやすくて滑りにくい材質、形状にしておきましょう。
シニアの浴室事故を防ぐ浴槽
浴室では浴槽に入る時、出る時に足の上げ方が足りなくて事故につながってしまうことも多いのです。
浴槽はあまり深くないものを選びましょう。
ただし浅い浴槽は、ある程度の大きさがないと温まることができません。足が十分伸ばせるぐらいの長さがある方がゆったりつかることができます。
しかし長い浴槽には危険もあります。
もし浴槽内で卒中や梗塞を起こして失神したときに顔まで浴槽に入ってしまって溺死につながるケースがあるのです。
浴槽内では足が十分に延ばせない方が失神してしまっても足が使えて顔が湯につかるリスクは防止できます。
また、浴槽の底には滑りにくいように波をつけたものにしましょう。
シニアの浴室事故を防ぐ温度管理
循環器系の問題をかかえる人にとって気温の差は大変怖いものです。
しかし、真冬の入浴では浴室と脱衣所への温度差が激しい事が脳卒中や狭心症発作の原因になることが多々あります。
浴室、脱衣所ともに空調設備をつけるのが望ましいのです。
シニアの浴室事故を防ぐユニットバス
ユニットバスの長所は、入り口の広さや、床材などシニアが抱えるリスクを考慮して設計されていることです。
ホーローユニットバスなら、床も壁も材質がそんなに硬質ではないのでもし転倒しても大きな怪我を防止できます。
その面だけを見ると在来工法の浴室よりはユニットバスのほうが事故のリスクは回避されていると考えてよいでしょう。