休校が長引くと、学習の遅れを心配する声が各地で聞こえます。難しい対応を迫られる学校現場の現状はどうなっているのでしょうか。休校中の小学生の学習の進め方についても考えます。
日本のオンライン授業の現状
中国やアメリカなどで実施されているオンライン授業ですが、日本では多くの学校がオンライン授業に対応できない状況です。特に公立の小中高校では、双方向のオンライン授業ができている学校はわずか5%(2020年4月21日文部科学省調査)です。
一部の私立学校や進学校ではインターネット環境が整い、双方向のオンライン授業が行われている一方、公立の多くの学校ではオンライン授業はなく、課題プリントや自主学習が主体です。
そんな中、オンライン授業ができない学校では、ホームページ上に授業を録画した動画を用意したり、テレビの教育講座やインターネット上の学習サイトを自主学習に役立てるよう促すなど、手探りの対応が続いています。
学校格差と地域格差
オンライン授業に関しては、ICT導入を積極的に進めている一部私立校とその他の学校との格差がどんどん広がっています。
オンライン授業が行われている一部の公立学校でも、インターネット環境が整っていない家庭に貸し出す端末の不足が原因で、同じ市内なのに学校ごとに授業回数が異なるなど、対応の差が目立っています。端末の操作に不慣れな教員が多いことも問題です。
地域ごとに感染の状況が異なり、すでに学校が再開しているところもあります。地域による格差も今後どんどん広がっていくのは大きな不安材料です。
今家庭でできること
休校が長引く中、多くの小学生はオンライン授業が受けられず、自宅学習を強いられています。4月までは前の学年の復習課題が多かった学校でも、5月になると今年度の教科書の内容を家庭で自主学習して進めてもらおうという動きがみられます。
休校中、定期的に登校日が設定されている地域では、担任が授業内容にそったプリントを作成し、それを利用して家庭学習を進めているところもあります。
児童が自主的に家庭学習の計画を立てて勉強し、登校日に担任がその内容を確認するところもあります。
ただ、家庭での学習は、自主的に頑張る子とそうでない子との差が大きくなっていく問題があります。特に小学校低学年の児童の場合、そもそも学習の習慣が身についていないこともあり、家族のサポートが重要になります。学習の進め方を指導して、毎日少しずつ慣れさせていくことが必要です。
教室の授業では、クラスメイトと意見を出し合ったり、先生に質問したり、話し合いながら協力して行える学習も、自宅では基本的に一人です。可能なら、家族がディスカッションの相手になってあげましょう。
調べ学習はインターネットが便利です。「おうち学校」(Yahoo!きっず)など、動画で教科を教えてくれるサイトもいろいろあります。おもしろいと思うものを探してみましょう。