新型コロナウイルス感染症の流行によって、多くの学校が3ヶ月も休校になりました。学校の休校、長期にわたる外出自粛の生活は、子供たちにどのような影響を及ぼしているのでしょうか。子供たちの心のケアについて考えます。
ネット・ゲーム依存のリスク
熊本日日新聞社が熊本県内の小中学生(1万363人)を対象に行ったアンケート結果によると、休校中、SNSやゲームなどの時間が増えたと回答したのは全体の83%。そのうち24%が「1日5時間以上」ネットを使用していると答えています。この中に、オンライン授業や自主学習によるネット使用は含まれていません。
つまり、休校中、小中学生がゲームやSNS、動画サイトの閲覧に費やす時間が大幅に増えたということです。これは熊本のアンケートですが、全国的に見ても同様の傾向があると思われます。
主な使用理由は「友達と会えずに退屈だから」「ゲームなら友達と一緒に遊べる」「友達とLINE」「ダメと分かっていてもやめられない」などです。
外出自粛が求められる今、ネットが友達との関係をつなぐ貴重なツールになっていることが伺えます。その一方、長時間の動画視聴やSNS使用は、依存症のリスクが高まります。夜更かしして深夜までゲームを続けるなど、生活リズムが崩れることで学校再開後の不登校の原因にもなりかねません。
学校再開と変わる環境への不安
長い休校・外出自粛の生活の後、子供たちがうまく生活リズムを取り戻せるか不安だという声が多く聞かれます。もともと、夏休みなどの長期休暇明けは子供たちの心が不安定になりやすい傾向があります。学校再開後、不登校が増えるのではないかと不安視する声も聞かれます。
学校が再開しても、これまでと同じ学校生活は当分送れないでしょう。例えば、分散登校のために仲の良い友達と会う機会が減ってしまったり、学校行事の中止や短縮、学習の遅れを取り戻すための土曜授業や夏休み短縮など、例年とは全く異なる学校生活が予想されます。楽しみにしていた学校行事がなくなることに落胆する子も多いでしょう。
学習の遅れを取り戻すために9月入学も検討されていますが、いずれにしても、子供たちが今後大きな環境の変化に立ち向かわなければならないのは事実です。
子供たちを支えるために
子供たちを支えるために、親は今、できるだけ子供が安心して過ごせる環境を作ってあげましょう。元気がない、甘えん坊になるなど子供の様子に変化があるときは注意して見守りましょう。心の不安が大きくなると、泣いたり怒りっぽくなったりします。
もともと精神的に不安定な子や敏感な子は特別なケアが必要です。テレビの報道はときに刺激が強く、怖がって眠れなくなるなどの症状が出るので注意しましょう。また、大人の不安や緊張を敏感に感じ取る子もいます。親自身がストレスをためないよう、気分転換の時間を作ることも大切です。
学校再開が近づくと、朝起きられなかったり、腹痛を起こすなど不調が出る子もいます。ちゃんと学校に行けるか不安が大きくなっているサインです。気持ちを受け止め、優しく応援していきましょう。
今後も学校の予定が急に変更になることもあるかと思います。いつ学校が再開しても適応できるように、生活リズムと学習の習慣を整えておきましょう。