幼稚園や保育園、小学校などに子供を通わせていると、子供が病気になった際に「出席停止」という言葉を聞くことがあります。

「出席停止」になる病気とは、具体的にどんな病気なのでしょうか?

病気の種類や、出席停止になる期間についてまとめました。

「出席停止」とは?

出席停止は、学校保健安全法19条で「校長は感染症にかかっており、かかっている疑いがあり又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる」と定めています。

「出席停止」が定められているのは、感染症が園や学校で流行するのを防止するのが目的です。病気によって出席停止期間が異なるのは、他人へ病気をうつしやすい期間がそれぞれ異なるからです。

出席停止は通常の欠席とは区別され、忌引と同じ区分に記録されます。

学校感染症の分類

学校感染症は3種類に分類されています。
第1種は発生は稀ですが重大な感性症で、具体的にはエボラ出血熱、ペスト、ジフテリアなどが挙げられます。万一第1種の感染症に児童がかかった場合は、感染症予防法により入院し、完治するまで退院できませんので、その間は登校できません。

第2種は飛沫感染するもので、児童生徒等の罹患が多く、学校における流行を広げる可能性が高いものです。具体的にはインフルエンザ、はしか、おたふくかぜ、風疹、水ぼうそう、プール熱などで、幼稚園や保育園、小学校などで珍しくない感染症です。

出席停止期間の基準は個別に定められており、例を挙げると次のようになっています。

インフルエンザ
発症した後5日経過し、かつ、解熱した後2日(幼稚園は3日)経過するまで
はしか
解熱した後3日を経過するまで
おたふくかぜ
耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が始まった後5日経過し、かつ、全身状態が良好となるまで
風疹
発疹が消失するまで
水ぼうそう
すべての発疹がかさぶたになるまで
プール熱
主要症状が消えた後2日を経過するまで

第3種は学校教育活動を通じ、学校において流行を広げる可能性のある感染症です。具体的にはコレラ、腸チフス、流行性角結膜炎、溶連菌感染症、手足口病、マイコプラズマ感染症、感染性胃腸炎などです。

第3種の学校感染症には個別の基準がない

第3種の学校感染症の中には、手足口病、感染性胃腸炎など、幼稚園や学校で毎年流行するものが多く含まれていますが、出席停止期間の個別の基準がありません。「病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めるまで(規則第19条第3号)」となっていますので、症状によって登校しても良いと医師が判断したときは登校できるということです。

しかし、ここが保護者の混乱を招くポイントなのですが、第3種の感染症に関して、園や学校で各々独自に基準を設けている場合があります。例えば手足口病に関して、ある幼稚園では「3日間登園停止」、一方別の小学校では「医師の診断を受け、登校して良いと言われたら登校できる」とするなど、園や学校によって対応が異なるので注意しましょう。

また、医師の判断が病院ごとに異なる場合があるので保護者は戸惑います。「熱が下がったら登校して良い」という先生もいれば、「発疹が落ち着くまで登校不可」という先生もいるからです。迷ったときは、園や学校側に相談して決めると良いでしょう。

出席停止の対象となる感染症に子供がかかった場合は、早めに幼稚園や学校に問い合わせて、出席停止の期間や判断の基準について確認しておくとトラブルを防げます。医師の診断書の提出を求められる場合もありますので、事前に確認しておくと安心です。

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