親子の心をつなぐ「絆シリーズ」第三弾です。
この本は、いわさきちひろさんの絵と日野原重明氏の詩と文のコラボレーションです。日野原氏はこの本の出版当時97歳。100歳を超えてなお、現役医師として活躍されています。その日野原氏が、いわさきちひろさんの描く子供たちをじっと見つめ、「90年も昔の私の子ども時代の思い出」に浸りながら作った詩が収録されています。
淡い水彩画で描かれた元気な子供たちの姿から、命の大切さが伝わってきます。
日野原氏は言います。いのちとは、「君たちの持っている時間」「君たちが使える時間」のことだと。ドキリとする言葉です。「だれかと力を合わせなければ人生は成り立たない」。お父さんとお母さんへのメッセージにも考えさせられるものがあります。
詩の内容は子供の喧嘩や仲直りに関するものもあれば、戦争や身近な死にも触れていて、子供から大人まで幅広い世代が読める内容です。
※『いのちのバトン—97歳のぼくから君たちへ』日野原重明(詩と文)、いわさきちひろ(絵)、ダイヤンモンド社、2008年