2019年8月10日、新潟県でランニングバイクに乗った4歳児が崖から20メートル下に転落し、大怪我をする事故が起きました。この事故では、助けに向かった男性が転落して死亡しています。
ランニングバイクは子供に人気ですが、子供が怪我をする事故が多発しているため、消費者庁が注意を呼びかけています。
ランニングバイクとは?
ランニングバイクは、「キックバイク」とか「ストライダー」とも呼ばれるペダルなしの幼児用自転車です。2~6歳くらいが対象年齢で、地面を蹴ってバランスを取りながら走るようにして遊びます。
自転車に乗る前の子供がバランス感覚を養うことができ、慣れると自転車への移行がスムーズになるとして人気があります。2000年代後半から流行が始まり、今では全国で広く普及しています。
軽量のものは3㎏に満たず、筋力が未発達の幼児でも乗れます。ランニングバイクはブレーキがついていないものが多く、公道では使用禁止です。
どんな事故が起きているか
消費者庁によると、2010年12月から2019年3月末までの8年余りの間に、ランニングバイクに乗った子供の事故が106件起きています。そのうち道路での事故が50件、坂道での事故が54件です。
怪我のほとんどはかすり傷や打撲ですが、中には骨折などの大怪我の報告もあります。全体の8割が顔や頭に怪我をしていて、入院や通院が必要になったケースが半数近くに上っています。
子供がランニングバイクで交差点に入り、車にはねられて死亡するなどの痛ましい事故も起きています。坂道を勢いよく下って行って車と衝突し、死亡する事故も起きています。保護者が近くにいても事故が起きている点に注目すべきです。
事故を防止するために
メーカーは事故防止のために、「公道での走行禁止」「ヘルメット着用」「保護者同伴」を呼びかけていますが、これが守られずに事故になるケースが多いのが現状です。ランニングバイクは広く普及していますが、事故の危険性について意識していない保護者が多いのは問題です。
ランニングバイクは、坂道でスピードが出ると大人でも追いつけなくなるほどの速度が出ます。ブレーキがついたランニングバイクもありますが、小さな子は握力が弱いので、うまく使えないこともあるようです。坂道では乗らないようにしっかり言って聞かせましょう。
家の近所だとつい油断しがちですが、道路ではランニングバイクに乗ってはいけません。ランニングバイクは自転車に比べて背が低く、車の死角になりやすいため大変危険です。ブレーキがなく、いざというときにすぐには止まれないことも問題です。まだ小さい幼児ですので、交通ルールも分からず、何も考えずに飛び出すなど間違った判断をしてしまうことがよくあります。
アパートやマンションの駐車場などで乗るのも絶対にやめましょう。
公園で遊ぶ場合は、他の子にぶつかるなどの事故が起きているので注意が必要です。乗って遊ぶ場合は広く開けた場所を選びましょう。ヘルメットを着用し、更にひじあてやひざあてをつけると怪我がぐっと減らせます。保護者は近くで見守り、子供がスピードを出しすぎないように注意しましょう。