日本で接種できるワクチンの数はここ数年でどんどん増えています。数年前の親子健康手帳(母子手帳)の予防接種カレンダーと、現在の予防接種カレンダーは驚くほど変わっていることを皆さんはご存じでしょうか。
今回は、新しく定期接種と任意接種に加えられたワクチンと、知っておきたい予防接種の最新情報についてお知らせします。
定期接種(2016年10月1日現在)
2016年10月1日現在、子供向けの定期接種は以下の通りです。
- BCG
- MR(はしか風疹混合)
- 日本脳炎
- 二種混合(ジフテリア、破傷風)
- 水痘
- HPV(子宮頸がん)
- 四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)
- 肺炎球菌(13価)
- B型肝炎
- ヒブ(インフルエンザ菌b型)
最近の定期接種の変更・追加は大変多いです。
2012年9月、生ポリオワクチンが不活化ポリオワクチンへと変更されました。2012年11月、それまで三種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風)だったものが、ポリオワクチンを加えて四種混合となりました。
2013年4月、肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンが定期接種になります。更に、同年11月、肺炎球菌のワクチンが新しくなりました。
2014年10月、水痘ワクチンが定期接種化し、最近では2016年10月、B型肝炎ワクチンが定期接種となりました。
2013年4月、HPV(子宮頸がん)ワクチンも定期接種となりましたが、副反応の報告が相次ぎ、現在は積極的な勧奨を中止しています。
任意接種(2016年10月1日現在)
2016年10月1日現在、子供向けの任意接種は以下の通りです。
- おたふくかぜ
- インフルエンザ
- A型肝炎
- 髄膜炎菌
- ロタウイルス(二種類)
数年前は任意接種だった水痘、B型肝炎、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌、子宮頸がんワクチンは現在定期接種となっています。ここ数年で新しく任意接種に追加されたのはA型肝炎、髄膜炎菌、ロタウイルス(二種類)です。任意接種なので有料ですが、子供を重い合併症やから守るために希望者は予防接種を受けることができます。
今後も任意接種から定期接種へ変更されるワクチンが出てくる可能性もあります。保護者は最新情報に注意しましょう。
特例措置について知っておこう
定期接種は無料で受けられますが、それぞれ対象年齢が決められています。その対象年齢を過ぎると任意接種になり、全額自己負担になることは知っておいてください。
しかし、現在は定期接種の種類が多く、赤ちゃんが体調を崩したり、色々な事情で対象年齢を超えてしまうことも少なくないかもしれません。その場合は各市町村の担当窓口に相談すると、対応してくれる病院を紹介してもらえるでしょう。
また、対象年齢の時期に長期の療養を必要とする病気にかかっていたために定期接種を受けることができなかった場合、長期療養特例として定期接種を受けることができます。お住まいの市町村に問い合わせてください。
近年は定期接種の追加が多く、それに伴って特例措置が取られています。
例えばB型肝炎は2016年10月1日から定期接種となりましたが、対象年齢は1歳の誕生日の前日までです。2016年4月1日以降に生まれた方が対象者となりますが、接種できる期間が短いため、2017年7月31日まで無料で接種できる特例措置が取られました。ただし、1歳を過ぎて接種した場合は「任意接種」扱いとなり、健康被害が生じた場合の補償が定期接種とは異なるので注意が必要です。