「パニック障害」は大人だけの病気ではありません。小学生や10代の子供も発症することがあり、発症すると不登校や引きこもりの原因にもなります。
今回は、親が知っておきたいパニック障害の症状と対処法についてまとめました。
パニック障害の症状
- 心臓がドキドキしたり、脈拍が増加する
- 手の平や全身に汗をかく
- 身体や手足が震える
- 息切れ、息苦しさ
- 窒息感、喉が詰まった感じ
- 胸の痛みや圧迫感、不快感
- 吐き気や腹痛
- めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
- 現実感が失われ、自分が自分ではない感覚になる
- 自分をコントロールできなくなる恐怖、気が狂う恐怖に襲われる
- このまま死んでしまうかもしれないという恐怖を感じる
- 身体の一部にしびれや疼きを感じる
- 冷たい感じ、ほてった感覚がある
強い恐怖感に襲われた子供は「怖い怖い!」「死んじゃったらどうしよう?」などと泣き叫び、息が荒くなります。心因性の腹痛で実際にお腹を下す子もいます。発作は10〜30分ほどで落ち着きますが、一度パニックを起こすと同じ場所や状況で再びパニックを起こすのではないかという「予期不安」に襲われ、学校に行くのが怖くなるなど日常生活に支障をきたすようになります。
パニック障害になりやすい子供の特徴
パニック障害になりやすい子供は、幼い頃から感受性が強く、神経質な傾向があります。
例えば、以下のような特徴が見られたら要注意です。
- 赤ちゃんの頃、極端に人見知りした
- 幼稚園や保育園に行くとき、母親から離れたがらない。不安がって長期間泣く
- 暗い場所、虫、動物など、特定のものに恐怖心を持つ
- 「もしも、〜したらどうしよう?」という予期不安に度々襲われる
- 強迫観念が強い
- 対人恐怖
このような傾向を持つお子さんの場合、親は注意して成長を見守っていきましょう。
発症の原因
発症の原因はストレスと言われます。たとえば学校での人間関係がうまくいかない、受験、親の過大な期待などです。
しかし、直接ストレスを感じるような生活環境でなくとも、一緒に暮らす家族に神経過敏な人がいて、その人の気持ちを敏感に感じ取って不安になったり、怖くなったりすることがあります。周囲の大人の顔色見て行動したり、自分の感情を抑えつけたりするタイプの子は、日常的にストレスを抱え込むことになります。
また、幼児期に母親と引き離されて暮らすなど、不安を抱えた体験がある子供はパニック障害になりやすいと言われています。
対処法
大切なのは規則正しい生活とバランスのとれた食事です。栄養が不足するとうつ病のような症状が出て精神が不安定になります。甘いお菓子やジュースは避け、栄養バランスを考えた食事に変えましょう。
睡眠も大切です。子供が怖がって眠れないときは親が添い寝してあげましょう。寝る前に親子で体操やストレッチをするのもおすすめです。
発作が起きたときは叱ったりせず、抱きしめて落ち着くのを待ちましょう。子供が怖がってパニックを起こしているときに理由を説明させるのは無理です。無理に聞き出そうとすると、恐怖感や不安が増幅して更にパニックがひどくなります。親はあれこれ言わず、聞き役に徹しましょう。子供の傍にいて、慰めてあげるだけで十分です。
子供が予期不安におびえる場合は、何か親子でできる楽しい遊びで気を紛らわせましょう。トランプ、しりとり、クイズ、楽しいDVDを観るなど、何でもいいです。お母さんの家事を手伝ってもらいながらお喋りするのもいいですね。
もし、子供のストレスの原因が明白に分かっているなら、そのストレスを取り除くよう努力しましょう。親の子供への接し方がストレスになっている場合もありますので、もう一度家族の在り方、コミュニケーションの取り方を見直すことが必要です。
子供が眠れない、食欲がないなど、症状が重くて体が弱っていくようなら医師の診察を受ける必要があります。精神科や心療内科など、病院へ連れて行きましょう。まずは、かかりつけの小児科などで相談してみて下さい。