小さな子供が、好奇心から鼻や耳に物を入れてしまうことがあります。このとき、間違った対処をすると大変危険です。もしもの時のために、正しい対処法を知っておきましょう。
鼻や耳に入れてしまうのはどんな物?
「これを鼻に入れたらどうなるんだろう?」
大人は子供の突飛な行動にびっくりしますが、鼻や耳に物を入れて取れなくなり、病院を受診する子は意外と多いそうです。
子供が鼻や耳に入れてしまう物は、ビーズやビー玉、レゴ、おもちゃの小さな部品、BB弾、消しゴム、ピーナッツなどの豆類、どんぐり、植物の種などたくさんあります。
6歳以下の子供に多く、中には何個も詰め込んでしまう子もいるそうです。
対処法
鼻に物を入れてしまったときは、片方の鼻を押さえてフンっと鼻をかませると取れることがあります。ただし、何度も強くやると鼓膜を痛めてしまいます。2、3回試して取れないようなら無理をせず耳鼻科を受診しましょう。
耳に入れてしまったものが小さなものなら、その耳を下向きにして、反対側から頭の横を何度か軽く叩くと出てくることがあります。
鼻も耳も、ピンセットなどで異物を取り出そうとすると逆に奥に押し込んでしまうことがあるので絶対にやめましょう。無理に取り出そうとすると、鼻の粘膜を傷つけて出血したり、耳の内部を傷つけてしまう恐れがあります。
誤って鼻の奥に押し込んでしまうと、異物が取れなくなるだけでなく、気道に入り込んで窒息の原因になります。子供が激しく咳き込んでいるときは気管まで異物が入り込んでしまったのかもしれません。すぐに救急車を呼びましょう。異物が気管内に入り込んでしまった場合は、麻酔をして手術になることもあります。
特に、ボタン電池は大変危険です。鼻に詰め込んだ場合、放っておくと鼻の粘膜が壊死してしまいます。間違って飲み込むと腸に穴が開いてしまうこともあります。すぐに耳鼻科を受診しましょう。
注意すべきこと
子供は、鼻や耳に物を詰め込んで取れなくなったとき、親に叱られるのを怖がって報告しないことがあります。
長い間鼻に異物が入ったままにしておくと、異物が入った片方の鼻から悪臭が漂ったり、鼻水がだらだら出続けることがあります。耳の場合、痛がったり、耳だれしたり、耳の聞こえが悪くなるなどの症状が出ます。
処置が遅れるのを防ぐためにも、子供が鼻や耳を気にして触っているなど、いつもと違う様子がないか、子供の変化に早く気づいてあげることが大切です。もしおかしいと思ったら、叱責せず、なるべく優しく聞き出してください。何をいつ頃入れたのか確認して、耳鼻科を受診しましょう。
事故を防ぐためにも、子供の手の届くところに小さなおもちゃなど、危ないものを放置しないようにしましょう。定期的におもちゃの安全をチェックすることも大切です。飲み込んだり、鼻に入れてしまうような小さな物はないか、おもちゃが破損していないか、電池カバーが外れるなどしていないか確認しましょう。
子供が言葉を理解できるようになったら、鼻や耳に物を入れるのは危ないことだと、しっかり言って聞かせるようにしましょう。