今年(2018年)は連日日本各地で異常な猛暑日が続き、最高気温が41℃を超えた地域があります。

2018年7月16日から7月22日の1週間で、熱中症のために搬送された人は全国で2万2647人、そのうち死亡したのは65人と、集計を始めた2008年以降で最多となっています。

この事態に「災害並みの対処をすべき」という異例の声も上がっており、危機感を持った熱中症対策が今必要です。

小学1年生が死亡

愛知県豊田市で、校外学習に参加した小学1年の男児(6才)が熱中症で死亡した事件は、学校関係者や保護者に衝撃を与えました。

男児は学校で毎年恒例になっている虫取りの校外学習のため、学校から約1㎞離れた公園まで歩きました。その時の気温は32℃。道のりは徒歩20分です。30分ほど公園で過ごした後、学校に戻る途中男児は「疲れた」と訴えたそうです。

教室にはエアコンがなく、扇風機だけだったそうです。その後体調が急速に悪化し、病院に運ばれましたが、死亡が確認されました。その他、女子児童3人が不調を訴え、1人は嘔吐しました。

文部科学省によると、全校区の公立小中学校の教室で冷房があるのは41.7%。半数以上がクーラーがない状態で授業を受けていることになります。

子供が熱中症になりやすい理由

子供は大人に比べて背が低く、アスファルトの照り返しを受けやすくなります。子供たちは、大人に比べて2~3℃気温が高い状態にいることをしっかり意識しておきましょう。

特に、背の低い幼児やベビーカーの赤ちゃんは熱中症になりやすい状況です。また、子供は汗を出すための汗腺が未発達のため、体に熱がこもりやすく、熱中症になりやすくなります。

子供は言葉による説明が下手です。体がだるい、頭が痛い、吐き気がするなど、具体的にどう気分が悪いのか言葉にできたら周囲の人間にも伝わりやすいのですが、そううまくいきません。

遊びや部活など集団活動中の場合、我慢して言い出せないこともあります。周囲の大人は、気温や湿度に敏感になり、子供の立場になって察する努力が必要です。

学校で始まった対策の例

これまで学校では、暑さを理由に行事を延期したり中止したりすることはほとんどありませんでした。しかし、豊田市の事件を受け、学校で熱中症対策を見直す動きが始まっています。以下が、気温が高い日に学校で行われている対策の例です。

  1. 外遊びは禁止。
  2. 児童による校庭の掃除を禁止。
  3. 校外の行事を延期(または中止)。
  4. 体育館での全校集会を中止し、各教室で放送を聞く形に変更。
  5. 飲み物の学校への持ち込みを許可。
  6. 夏休みのプール事業の中止(水温が高くなりすぎるため)。

しかし、エアコンが設置されていない学校では教室内の気温は35℃を超えることが珍しくありません。子供たちの命を救うために、過酷な環境を根本的に改善する必要があります。

家庭でできる対策は?

連日の熱帯夜で、寝苦しい日が続いています。寝不足や体調不良は、熱中症になるリスクを高めます。家庭ではバランスの良い食事と、しっかりした睡眠がとれるように気を配りましょう。体力を落とさないことが大切です。

室内でも熱中症になります。エアコンや扇風機を上手に利用して、適切な気温と湿度を保つように管理しましょう。注意したいのは、気温を下げすぎることで風邪を引いたり、体を冷やして体調を崩すことです。

気温が高い日中の外出はなるべく避けましょう。どうしても歩き回る必要があるときは、コンビニやスーパーなど、途中で涼める店や施設に入って休むようにしましょう。飲み物とは別に、保冷剤をおしぼりで包んだり、凍らせたタオルなどを持参すると便利です。

子供は初期症状から急に重症化します。決して侮らず、少しでもおかしいと思ったら、すぐに涼しい場所に移動して水分補給をするなど、素早く対処することが大切です。

参考文献
※熊本日日新聞総合版2018年7月21日「どうする熱中症対策」
※熊本日日新聞総合版2018年7月22日「熱中症 災害並みの対処を」
※熊本日日新聞総合版2018年7月25日「死者 1週間65人 列島猛暑 過去最多に」
熱中症で小1死亡、校長「判断甘かった」 遺族に謝罪(朝日新聞デジタル)
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