夜、子供と一緒に寝ていたら隣りから「ギリギリ、ギリギリ」とすごい音が……。驚いて目を覚ましてしまったという経験があるパパ、ママもいらっしゃるかもしれません。

「歯ぎしり」するのは大人だけでなく、子供でも珍しくありません。治療が必要な場合と、様子を見て大丈夫な場合がありますので、詳しく見ていきましょう。

赤ちゃん〜乳歯の時期の歯ぎしり

赤ちゃん〜乳歯の時期の歯ぎしりは、噛み合せを調整するために無意識に行っているものであり、あまり心配する必要はありません。

年齢別に見ると、0〜1才の間に下の歯が2本生え、その後上の歯が生えてきますが、この頃から歯ぎしりをする赤ちゃんがいます。歯がない間はおっぱいを「吸う」動きしかしてこなかった顎が、歯が生え始めると「噛む」動きを覚えなくてはなりません。「噛む」動きをするために顎の位置を調節する必要があり、そのために歯ぎしりをするのです。

2〜3歳では奥の乳歯が生えてきて、奥歯の違和感や噛み合せが気になって歯ぎしりをします。4〜6歳になると、乳歯が抜けて永久歯へと生え変わる時期を迎えます。生え変わりを前に顎が成長し、乳歯と乳歯の間に隙間ができます。すると噛み合せが悪くなるので、歯ぎしりをしてバランスを調整しようとするのです。

つまり、6歳までの歯ぎしりは成長に必要なものであり、歯の生える場所を確かめたり、噛み合せを調節する役割があります。特に歯が生え変わる時期に歯ぎしりが起きやすく、成長とともに症状が落ち着くことがほとんどです。

しかし、まれにストレスが原因で歯ぎしりしている子もいますので、その場合は交友関係や兄弟間・家族間などを見直し、ストレス解消を図ると歯ぎしりが落ち着くようです。乳児期の歯ぎしりは特に治療せず様子を見ることがほとんどですが、あまりに歯ぎしりが酷くて顎が痛くなったり、歯並びがずれるなど心配なことがある場合は小児科か歯科に相談しましょう。

永久歯に生え変わった後の歯ぎしり

10歳を過ぎて永久歯が生えそろってからも歯ぎしりを続けている場合は注意が必要です。
歯ぎしりの原因は乳歯のときと同じで、噛み合せの悪さやストレスです。ストレスが原因の場合は交友関係を観察し、なるべくリラックスして過ごせるよう学校や自宅の生活環境を整えましょう。

長く歯ぎしりが続くと、強く噛み合せることで歯が次第に擦り減ってしまったり、顎の痛みが酷くなる心配があります。歯ぎしりが原因で頭痛が起きることもあります。そのような場合は何らかの治療が必要です。

対策と治療法

あまり噛まずに食事をする子供ほど、歯ぎしりが多く見られる傾向があります。噛まないと顎がしっかり発達せず、噛み合せが悪くなりやすいためです。子供には、幼い頃からしっかり噛む習慣をつけさせましょう。また、猫背で姿勢が悪いと顎関節の働きが悪くなり、歯ぎしりするようになります。背筋をまっすぐ、正しい姿勢で過ごす習慣を身につけさせましょう。

永久歯になっても歯ぎしりが続き、歯科医で治療する場合は、睡眠時だけ装着するタイプのマウスピースをすすめられることがあります。市販のものもありますが、歯の形はひとそれぞれなので、オーダーメードがおすすめです。歯科で制作してもらうとだいた5,000〜6,000円ほどです。

昼間でも無意識に歯ぎしりしてしまうようなら、顎の力を抜く練習をします。目印のシールでも「歯ぎしりストップ!」と書いた紙でも良いので、普段見える位置に貼っておくと、思い出して歯ぎしりをやめることができます。
永久歯が生えそろってからも歯ぎしりが続いているということは、歯並びが悪く歯列矯正が必要なサインかもしれません。一度矯正歯科に相談してみましょう。

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