小学生になれば、一人で外を歩き回る機会も増えます。
わいせつ事件や誘拐など、犯罪に巻き込まれそうになったときは自分の力で対処しなくてはなりません。
犯罪から身を守るために、危険を回避する方法といざというときの防犯術について学びましょう。
危険を察知し、回避するために
子供にとって一番大切なのは、危険を察知して早めに回避する能力です。
例えば、自分より体格の大きい大人に襲われたとき、子供は戦うことはもちろん、逃げることも難しくなります。圧倒的に不利と言って良いでしょう。だからこそ、犯罪に巻き込まれないために対策を取る必要があります。
犯罪が起きやすい場所は次のようなところです。
- 一人になるところ(友達と別れた後や、公園やお店のトイレなど)
- 周囲から見えにくいところ(木や畑の近く、車の陰など)
- 脇道や裏道が多いところ(不審者が隠れていたり、出入りしやすく逃げ込みやすい)
- 空き家や人気のない公園・駐車場
子供の行動範囲にこのような場所があったら、決して近づかないように教えましょう。どうしても一人で通らなければならないなら、「防犯ブザーを手に持って急いで通る」など、危機意識を持たせましょう。
「あやしい人」ってどんな人?
よく子供に「知らない人についていったら駄目よ」とか、「あやしい人に注意しなさい」などと言うことがありますが、この言葉は子供には分かりにくく、具体的ではありません。子供にとっては「近所のおじさんは知らない人ではない」し、「友達のパパだから大丈夫」となるかもしれません。
しっかり防犯するために、具体的に「○○の車以外乗ったら駄目」と伝えるべきです。
また、「あやしい人」といっても、見た目では分かりません。優しそうな見た目で近づいてくる不審者もいるはずです。より具体的に、次に様な人には注意するように教えましょう。
- しつこく話しかけてくる人
- あなたにどんどん近づいてくる人
- あなたが来るのを道端や車の傍でじっと見つめてくる人、待っている人
- あなたの後をいつまでもついてくる人
相手の見た目ではなく、行動に注意します。何か変だ、おかしいなと違和感を持ったら要注意です。その感覚を信じて、その相手と距離を保つようにします。話しかけられても近づきすぎず、最低80㎝は相手との距離を保ちます。これは、相手から腕をつかまれないための最低限の距離です。
「何だろう」「気になる人がいるな」と思ったら、なるべくその人に近づかないように早足で通り過ぎましょう。追いかけてくるようならすぐに防犯ブザーを鳴らす、近所のお店に駆け込んで助けを求めるなど、自分の取るべき行動を意識しながら歩きます。背後を見て、不審者がいないか気にすることも大切です。
いざというときの防犯術
もし腕をつかまれたり、抱きつかれたりしたら?いざというときのために、親子で対処法を学んでおきましょう。力の弱い子供が、大人から逃げるための訓練です。
- 手首をつかまれた→両手を組んで力いっぱい引き抜く→ダッシュして逃げる
- 後ろから抱きつかれた→両膝を曲げ、勢い良くお尻でドン!と突き飛ばして逃げる
- 肩に腕を回された→相手の脇をくぐって逃げる
一連の行動は素早く行います。逃げるときは防犯ブザーを鳴らしたり、大声で「警察を呼んで!」と言いながら走ります。何度も練習して、万一に備えましょう。
【参考文献】
※熊本日日新聞総合版2014年4月10日「子どもの防犯術」
※熊本日日新聞総合版2017年3月23日「新一年生に防犯意識」