爪噛みは4〜5歳から学童期にかけて多く見られる癖で、習慣化するとなかなか直りません。何とかやめさせたいと思っている親御さんも多くいらっしゃることでしょう。
「爪噛み」をやめさせるために、家庭でできることを考えてみましょう。
爪噛みの原因は?
一般的に、何らかのストレスが原因だと言われています。欲求不満、過度の緊張、不安や不満、退屈などを感じると、つい爪噛みをしてしまうのです。爪を噛むことで、その時感じている精神的な緊張を和らげようとしているのだと考えられます。
親の過干渉、そしてその逆である放任も原因の一つです。親のしつけが厳しすぎて過度の緊張を感じていたり、親が仕事などで忙しくて子供との時間がなかなか取れず、子供が愛情不足を感じたりすると爪噛みという形であらわれたりします。
また、親の不仲や家族間の人間関係のストレスが原因となることもあります。
やめさせるために
子供が爪噛みをしているのを見かけたら、何か生活を見直す必要があるというサインだと受け止めましょう。
叱るのではなく、爪噛みの原因となっている精神的なストレスや退屈を取り除いてあげる必要があります。
まず、子供がどんなときに爪噛みしているのか、子供の様子をそっと観察してみましょう。爪噛みしているのは、ぼ〜っとテレビを観ているときだったり、叱られたときだったり、下の子に授乳しているときだったりします。
子供の普段の様子を観察し、話を聞いてあげることで、その子が抱えているストレスに気付いてあげましょう。「忙しくて最近あんまり構ってあげてなかったな」とか「下の子が生まれてママを取られたような気分なのかな」とか、思い当たることがあれば、生活を改善することができます。
子供とのスキンシップの時間を作り、子供の話をいっぱい聞いてあげましょう。膝の上に抱っこして絵本を読んであげたり、何かいいことがあったらたくさん褒めてあげましょう。
その子が楽しんでやっていること・好きなことをどんどんさせて、楽しい時間を作りましょう。何かに夢中になって遊んでいると、爪噛みをしなくなる傾向があります。
子供が理解できる年齢なら、爪を噛むと衛生的に問題があることを具体的に話して聞かせましょう。子供が自分で爪噛みの癖を直そうと意識することが大切です。
叱るのは逆効果
子供の爪噛みを見つけると、つい「やめなさい」と注意したくなりますが、無理にやめさせようと厳しく言うと、かえって酷くなることがあるので注意が必要です。何度も注意されることが子供にとってストレスになり、自尊心が傷ついてしまうことがあります。厳しくすることで爪噛みは直っても、チックや指しゃぶり、歯ぎしりなど、別の症状に移行することがあります。
爪噛みは一過性のもので、自然と消えていくことがほとんどです。親が心配しすぎるのも子供のストレスになるので、親子でストレスを溜める悪循環に陥らないようにしたいものです。
子供が爪噛みしているのに気づいたら、抱っこしてあげたり、一緒に遊んであげたりして、注意を他に逸らすようにしましょう。お絵かきやブロック、パズルなど、手を使う遊びに誘うのも良い方法です。
爪噛みしなかった日はカレンダーにシールを貼るなど、ちょっとしたご褒美をあげるのもおすすめです。