これから夏場にかけて暑い日が続きます。乳幼児の熱中症は重症化しやすい傾向がありますので、特に注意が必要です。
熱中症の予防のポイントと、応急手当について知っておきましょう。
熱中症とは?
熱中症とは、高温のところに長時間いて、体温の調節機能が働かなくなり、体温が異常に高くなることをいいます。体温の上昇にともなってめまいや筋肉痛、頭痛や吐き気、倦怠感などの症状が出ます。重症になると、けいれんや意識障害が起こり、最悪の場合死に至ります。
消防庁によると、昨年(2012年)7〜9月の熱中症による全国の救急搬送人員は4万3864人で、死亡した人は73人に上ります。
予防のポイント
高い気温の中で長時間過ごさないようにすることが重要ですが、気温だけでなく、湿度にも注意が必要です。湿度が高いと、気温が低くても熱中症になる危険性が高まります。
屋外だけでなく、室内でも熱中症は起きます。本格的な夏を迎える前の梅雨の季節は、高い湿度が予測されます。十分に用心しましょう。
特に、乳幼児は大人に比べて体温調節が苦手です。
まだ言葉が喋れない小さなお子さんの場合、自分で症状を訴えることもできません。時々は子供の背中に手を入れて汗をかいていないか確認するなどしましょう。
外出時には通気性の良い服を着せ、水分補給にも気を配ります。長時間続けて遊ばせないように配慮が必要です。様子を見て、涼しい場所で休憩させるようにしましょう。
車内に子供を放置しない
短時間でも車に子供を乗せたまま、一人にしておくのは大変危険です。締め切った車の中はあっという間に気温が上昇していきます。
思いがけず、車のリモコンキーの誤操作で子供が車内に閉じ込められる事故も起きています。
おもちゃ代わりにキーホルダーを赤ちゃんに持たせていたら、赤ちゃんが施錠ボタンを押して車に一人で閉じ込められたというものです。赤ちゃんはキーホルダーを喜んで欲しがったりしますが、鍵を子供に持たせるのは危ないのでやめましょう。誤作動を防ぐために、大人がきちんと鍵を管理することが大切です。
熱中症の応急手当
涼しい日陰や冷房が効いた場所へ移動させ、安静にさせましょう。衣服を緩めて寝かせます。タオルを濡らし、体を冷やします。わきの下や首の周り、太ももの付け根などを冷やすのが効果的です。
汗をかくと水分と塩分が失われます。赤ちゃんならベビー用のイオン飲料を、子供ならスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給しましょう。ないなら麦茶などでも良いので、少しずつこまめに水分を与えます。
意識がもうろうとしていたり、まったく水分を受けつけずに吐いてしまうようなときは危険な状態です。すぐに119番に通報し、救急車を呼びましょう。
※熱中症予防のために『環境省熱中症予防情報』というサイトがありますので、ご紹介します。
http://www.wbgt.env.go.jp/
参考サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/
参考本
※子供の閉じ込め事故に関しては、『熊本日日新聞』平成25年5月25日朝刊より。