寒い季節は風邪を引くお子さんが増えますが、風邪とともに多くなるのが子供の中耳炎です。
今回は中耳炎の症状や治療方法、親御さんが注意してあげたいことについて、ご紹介します。
中耳炎の原因と症状
中耳炎の中で子供が最もかかりやすいのが「急性中耳炎」です。
風邪が原因であることが多いですが、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻の病気も原因になります。鼻と耳を繋ぐ耳管を通って鼻から細菌が侵入し、鼓膜の内側が炎症を起こすことで中耳炎になります。
特に乳幼児は感染に対する抵抗力が弱く、耳管が十分に発達していないため、ウイルスや細菌が侵入しやすく、急性中耳炎が起こりやすくなります。
中耳炎の症状は耳の痛み、発熱のほか、耳だれが出たり、耳が聞こえにくくなったりします。
赤ちゃんや小さなお子さんは自分の体の具合を言葉で説明できません。風邪が長引いて熱がなかなか下がらなかったり、しきりに耳を触るようなときは中耳炎を疑いましょう。小児科か耳鼻科を受診するようにします。
中耳炎の治療
原因となっている細菌の増殖を抑えるために、抗生物質(飲み薬や点耳薬)を使います。症状が重い場合は点滴をすることもあります。熱や痛みが酷いときは、解熱剤や鎮痛薬を処方してもらえます。
化膿して中耳にうみがたまったときは、鼓膜切開をします。鼓膜は切っても自然に塞がりますから、心配はいりません。
その後は、定期的に病院へ通いながら治療を継続します。処方された薬は医師の指示通りにきちんと飲ませましょう。特に抗生物質を処方されている場合は、途中で薬をやめてしまうと細菌が死滅せずに復活し、中耳炎が再発する場合があります。痛みや熱などの症状が落ち着いても、安心せずに最後まで飲ませましょう。
再発に注意
中耳炎は治っても、耳の中が完全に元に戻るには3〜4ヵ月かかります。その間に風邪を引くと、中耳炎が再発することがあります。うがいや手洗いをしっかりして、風邪予防に努めましょう。
鼻づまりは中耳炎には良くない症状です。普段からアレルギー症状で鼻づまりがあるお子さんは中耳炎には注意が必要です。中耳炎を繰り返すような場合は、鼻の治療をすることが予防に繋がります。
個人差はありますが、中耳炎の治療には時間がかかります。耳鳴りがしたり、耳が詰まったような感じで音が聞こえにくいなど、症状が残っている場合には定期的に病院へ通い、経過を診てもらいましょう。
急性中耳炎はきちんと治療しないと、慢性中耳炎や滲出性中耳炎を起こし、難聴の原因になることがあります。完全に治るまで、しっかり治療することが大切です。
【参考サイト】
アステラス製薬 なるほど病気ガイド/中耳炎
http://www.astellas.com/jp/health/healthcare/otitismedia/index.html?cid=001中耳炎で注意したいこと
http://www.myclinic.ne.jp/imobile/contents/medicalinfo/gsk/top_topic/topic_32/mdcl_info.html