娘は小学校低学年だから、「生理なんてまだ先のこと」と思っていたら間違いです。

お子さんが急な出血にびっくりして慌てないためにも、小学校低学年頃から生理に関する正しい知識を教えてあげるのが母親の役目です。

生理の基礎知識

憂いている女の子

生理はいつ始まる?

初潮の平均年齢は10~15歳と言われますが、早い人は8歳で始まり、遅い人では16歳になっても始まらないなど、個人差が大きいのが特徴です。早い子の場合は小学2年生で始まってしまうわけですから、知識がないと戸惑いが大きく、学校でも困ることがあるでしょう。

急に身長が伸びたり胸がふくらんだりすると初潮を迎えるタイミングが近いと思われますが、いつ来るかはっきり予測できるわけではありません。時期が近づいたら、ナプキンを数枚ポーチに入れて、ランドセルに入れてあげましょう。使い方も教えてあげると困らずに済みます。

生理周期や生理期間はどのくらい?

生理周期とは、生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間のことです。だいたい25~38日間隔の人が多く、24日以内と周期が短いものを頻発月経、39日以上間隔があくものを稀発月経と呼びます。

出血する生理期間は3~7日という人が多く、1~2日で終わってしまう場合を過短月経、8日以上だらだら出血が続く場合を過長月経と呼びます。

自分の生理周期をチェックしよう

生理が始まったら、生理周期や生理期間をチェックする習慣を付けましょう。初潮を迎えてしばらくはホルモンが安定せず、生理周期が乱れやすい時期です。思春期はストレスの影響を受けやすく、生理不順になりやすい時期でもあります。

それでもしばらくチェックを続けると、自分の生理周期や生理期間が大体どのくらいなのか分かってきます。カレンダーや手帳に書き込んだり、便利なアプリを利用するなど、自分に合った方法を見つけましょう。生理周期が分かれば、次の生理がいつ頃来るか、ある程度予測できるようになります。ナプキンを忘れて大慌てということも減るでしょう。

また、基準となる生理周期を知っていると、生理が遅れていることにも気づきやすくなります。予定日を1週間過ぎたら「遅れている」と考え、対処するようにしましょう。遅れる原因はストレスや体調不良、ダイエットによる栄養不足など様々です。

生理は健康のバロメーターです。若い女性が妊娠でもないのに生理が遅れている、来ないということは、心や体がどこか無理をしていると考えられます。もしくは何らかの病気が隠れているかもしれません。女の子には生理の知識をしっかり教えて、自分の健康管理に役立てられるようにしてあげましょう。

子どもの生理と「基礎体温」

初潮を迎えたお子さんに、生理の知識を教えてあげるのは母親の役目です。特に、是非知って、女の子の体調管理に役立ててほしいのが「基礎体温」です。
「基礎体温」と生理の関係についてまとめます。

「基礎体温」で何が分かる?

「基礎体温」とは安静時の体温のことです。朝目覚めてすぐ、横になったまま測る体温のことをいいます。

女の子は初潮を迎えると、女性ホルモンの影響で周期的に体温の変化が起こるようになります。大人の女性はご存じの方も多いでしょう。生理中から排卵まで(およそ半月前後)は体温が低く、排卵を機に体温がぐんと上がります。およそ2週間前後高温期が続き、ガクンと体温が下がったら生理が来るタイミングです。ただし、妊娠した場合は生理が来ず、ずっと体温が高い状態が続きます。

しかし、低温期と高温期の差はせいぜい0.5℃程度の微妙な変化です。起床後動き回ってから測ると体温が上がってしまうので注意しましょう。ベッドの近くに体温計を置いておいて、朝目が覚めたらすぐに測れるようにしておくと良いでしょう。

毎朝同じ時刻に測定するのが基本ですが、それが難しい場合もあるでしょう。風邪や発熱、夜更かしや寝坊で測定の条件が変わってしまったときは、表にメモを書いておくと参考になります。図り忘れてしまった場合は空欄にしましょう。グラフにすることで、低温期と高温期が見分けやすくなります。

測定は婦人体温計の方が正確に測れますが、神経質になる必要はありません。家にある普段使いの物でも十分変化は計測できます。毎日のことなので、短時間で簡単に測れるものが便利ではないでしょうか。

生理不順にもいろいろある

生理が定期的に順調に来ている場合は、特に基礎体温表をつける必要はありません。ただ、生理不順が気になったり、ずっと生理が来ないような場合は基礎体温表をつけてみましょう。それを持参して婦人科に行けば、診断に役立ちます。

基礎体温表を3ヵ月間もつければ、自分の生理について多くのことが分かってきます。たとえば体温の低温期と高温期があいまいではっきりしない場合は排卵していない恐れがあること、生理の周期がバラバラで毎回安定しないこと、生理期間が長く過多月経が心配されることなどです。

生理周期は平均25~38日、生理期間は3~7日が一般的です。これに比べて周期が随分長かったり、逆に短かったりすると不安に思うかもしれません。しかし、基礎体温表をつけて排卵が起きていると判断できるならあまり心配はいりません。注意したいのは、生理は来ていても無排卵の恐れがある場合や、ずっと何カ月も生理が止まっている場合などです。

受診の目安

初潮を迎えて3年ほどは生理周期が安定せず、生理不順であることが多いものです。しかし、3年以上経っても生理不順がひどいときは一度婦人科で相談してみましょう。

また、16歳を過ぎても生理が来ない場合は、何か病気が隠れていたり、ホルモンの異常が見られることがあります。婦人科で相談してみましょう。

中高生女子の生理痛 ~ 保護者がしっかりケアしよう

中学・高校の女子で、重い生理痛に悩む女子はたくさんいます。まだ初潮を迎えて間もなく、生理痛にどう対処してよいのか分からないという子も多いです。思春期と重なり母娘で密な会話が難しいこともあるかもしれません。
しかし、娘の痛みに寄り添い、保護者としてできる限りのケアをしてあげましょう。

生理痛は個人差が大きい

生理に関する痛みや不快症状には様々なものがあります。中でも代表的な症状は下腹部痛と腰痛です。痛みに関しては個人差が大きく、日常生活に特に支障がない子もいれば、痛みで授業に集中できなかったり、ひどい場合は学校を欠席する子もいます。

その他、吐き気や下痢、イライラ、貧血、頭痛、肌荒れ、眠気、だるさなどが主な症状です。生理周期に合わせて分泌される女性ホルモンの影響が、体の様々な部分だけでなく、心にも影響して気持ちを不安定にさせます。特に生理前は理由もないのに気が沈んだり、人に八つ当たりしたくなるなど、感情のコントロールが難しくなります。男性には理解しにくいことですが、このことを知っておくだけでもトラブル防止に役立つのではないでしょうか。

女子の中には、生理開始前後でひどい頭痛が毎回来るという人もいます。ひどい場合は頭痛と同時に吐き気もあります。また、生理中の女子は貧血になりやすいので注意が必要です。成人女性1日当たりの鉄所要量は10~12gですが、健康な女性の生理でも毎回20㎎の鉄が失われるといいます。

思春期はニキビが気になる時期ですが、生理前は皮脂の分泌が多くなるためニキビや吹き出物ができやすくなります。これに悩む女子も多いです。この時期は肌のバリア機能も低下するので様々な肌トラブルが起きやすくなります。

生理痛への対処法

冷えやストレスで骨盤内の血行が悪くなると生理痛はひどくなります。お腹や腰にカイロを当てる、ひざ掛けやブランケットを使って体を温める、足湯をするなど、体が冷えないよう工夫しましょう。軽めの運動、ストレッチなども血行を良くするので効果的です。リラックス効果もあります。

吐き気や下痢の症状があるときは香辛料やコーヒーなどの刺激物は避け、体が温まるメニューを工夫しましょう。レバーや牛肉、納豆などで鉄分不足を補うことも大切です。

生理前の肌荒れしやすい時期は特に洗顔に気を配り、肌を清潔にしましょう。過剰なケアは肌トラブルが起きやすくなるので、シンプルな保湿を心がけましょう。この時期は紫外線にも弱くなるので、低刺激性の日焼け止めを塗ると良いでしょう。

痛みがひどく生活に支障がある場合は、痛み止めを上手に利用することも大切です。痛み止めは市販薬がたくさん出ているので、その中から自分に合った薬を見つけましょう。いきなり効き目の強い薬を試すのではなく、副作用にも配慮して選ぶことが大切です。長期間飲み続けると効果が薄れたり、副作用も心配されます。なるべく薬に頼り過ぎないように、その他の対処法で乗り切りましょう。

生理痛が重い場合は婦人科を受診しよう

生理痛は個人差が大きく、母娘でも全く痛みの程度が異なります。娘の生理痛を軽く見ていたら、実は重い生理痛でずっと我慢していたということも起こり得ます。重い生理痛の場合は子宮内膜症などの病気が隠れていることもありますから、婦人科で相談することをおすすめします。

生理が来ない「無月経」とは? ~ 中高生女子の体の異変に気付こう

生理が止まる理由として、妊娠や授乳中であること、閉経が挙げられます。しかし、これらと関係ない10代の中高生女子の中に、「無月経」という健康問題を抱えている子達がいます。
「無月経」とは何か、原因や対策についてご紹介します。

「無月経」とは?

妊娠や授乳などで生理が止まることを「生理的無月経」といいます。これに対して何らかの原因で女性ホルモンやエストロゲンが減少し、卵巣の運動がうまくいかなくなって生理が止まる状態を「続発性無月経」といいます。

生理にともなって分泌される女性ホルモンは骨の形成に必要なものです。そのため、無月経になると女性ホルモンが不足し、骨がもろくなってしまいます。この状態で激しい運動を続けると疲労骨折を繰り返しやすくなります。部活動で運動を頑張っている女子にとっては大問題です。

また、無月経の状態を治療せず放置しておくと、子宮が委縮したり、排卵障害になったりして、将来的には不妊の原因になります。放置していた期間が長ければ長いほど、治療にかかる時間が長引くことになるので、10代のうちに早期発見、早期治療を開始することが大切です。

無月経になっても、治療して生理が周期的に来るようになれば、骨密度も回復し、体の健康状態も改善されていきます。

無月経の原因はさまざま

なぜ、生理が来なくなるのでしょうか?考えられる原因は次の通りです。

  1. ストレス
  2. 無理なダイエット
  3. 激しいスポーツ
  4. 早発閉経
  5. 甲状腺や子宮などの病気

その他、睡眠不足や不規則な生活、偏食、運動不足なども無月経の原因になります。

受験や失恋、学校での人間関係、不登校など、思春期に抱えがちな悩みが原因で何カ月も生理が止まることは珍しくありません。

また、思春期に体重を気にして無理なダイエットをすると、生理が止まってしまいます。女性の体は栄養不足になると、生殖機能より生命の維持を優先させる仕組みになっているからです。無月経が長引くと、卵巣の機能が低下していくことになります。

部活動で激しい運動をしたり、体重を制限したりしている場合も栄養不足で無月経になることがあります。同時に、エネルギー不足で身長が伸びなくなったり、貧血になるなどの症状が出てきます。

何も原因が思い当たらないのに無月経が続いているような場合は、何かの病気が潜んでいる可能性があります。一度婦人科で調べてもらいましょう。

無月経への対策と治療

無月経の状態が長引けば長引くほど、自力で生理をおこせる可能性は低くなっていくそうです。無月経が3ヵ月以上続く場合は、婦人科に行き、治療を受けた方が良いでしょう。婦人科で治療する場合は、ホルモン治療を行ったり、漢方薬を処方されることがあります。

無月経になったら、心と体が無理をしていないか考え直す機会です。まず、無理なダイエットをしていないか、激しいスポーツでエネルギー不足に陥っていないか、生活を思い返してみて下さい。栄養バランスのとれた食事を3食取っているかどうか。部活などで運動量が多いなら間食でおにぎりなどを追加し、エネルギー不足を補うことも考えましょう。

ストレスが原因の場合は、まずその問題をどうやったら解決できるか考えます。散歩したりカラオケに行ったり、新しい趣味を見つけたり、ストレスを発散できる方法を何か見つけましょう。

参考文献
※エネルギー不足 無月経 骨粗しょう症 「部活女子」の体を守ろう(熊本日日新聞総合版2018年2月28日)
生理のケア&アドバイス(ユニチャーム ソフィ)
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