冬に流行する胃腸炎はノロウイルスなどによるものが中心で、例年、10月下旬頃から患者数が増え始めます。
今年も既に流行が始まっていますが、最も多いの12月を中心に冬場です。

全国では昨年度、395件、1万6815人の食中毒患者が発生しています。病院や介護施設で集団発生することもあります。
重症化する恐れがある高齢者や乳幼児は特に注意が必要です。

感染したときの症状

ノロウイルスが原因の感染性胃腸炎にかかると、下痢や嘔吐、発熱などの症状が出ます。潜伏期間は1〜2日ほどです。
健康な人は数日で回復することが多いですが、高齢者や乳幼児、基礎疾患がある人は重症化する場合がありますので注意が必要です。

自分の言葉で症状を説明できない子供でも、頻繁に吐いたり、下痢をしたりしますので、異常を判断するのは難しいことではありません。
嘔吐や下痢を繰り返すと脱水症状が心配されますから、悪化する前に早めに病院へ連れて行きましょう。吐き気止めなどを処方してもらえます。

感染を予防するには

感染性胃腸炎はノロウイルス以外のウイルスや細菌も原因となって起こりますが、ノロウイルスは特に感染力が強いので注意が必要です。
患者の便や嘔吐物、ドアノブなどに付着したウイルスに触れた手を介して、感染が広がることも多いといいます。

小さな子供が感染性胃腸炎になった場合、我慢できずにお布団の上に吐いてしまったり、部屋の絨毯の上に吐いてしまったりすると、そこから感染が広がります。赤ちゃんの場合、オムツ交換の際に周囲に感染が広がることもあります。

感染性胃腸炎の感染を予防するには、患者の便と嘔吐物を適切に処理することが大切です。

集団発生を防ごう

ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、保育所や幼稚園、介護施設で集団発生することがあります。飲食店の食事や弁当から被害が拡大することもあります。
施設で取られている対策は、家庭で家族間の感染を防ぐためにも有効です。学んでおきましょう。

まず、患者の便や嘔吐物から感染が広がりますので、片づける必要がある場合は使い捨ての手袋やマスクを利用しましょう。
お子さんのオムツを交換するときも、十分に注意します。捨てるオムツはビニール袋に包んで捨て、使い捨て手袋も使い回さないようにして下さい。処理が終わったら、石鹸を使って1分ほど手を洗い、水で綺麗に洗い流します。

ノロウイルスにはアルコール消毒は効果がありませんので、手洗いが重要です。帰宅したとき、食事の前、トイレの後などにはしっかり手を洗いましょう。
感染した人が料理を作ると、その料理から感染が広がることがあります。調理をする人は、その前に手洗いをしっかりする習慣をつけて下さい。

【参考サイト】
「感染予防のための手洗い」
http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1164345085041/files/tearai.pdf

【参考文献】
※熊本日日新聞平成25年11月1日朝刊「感染性胃腸炎 警戒を」(田中祥三)
※熊本日日新聞平成25年11月1日朝刊「冬場に多発」ノロウイルス注意(福井一基)
※熊本日日新聞平成25年11月8日朝刊「感染症情報」(飯村直亮)

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