【 Q 】 実家は散らかっていますか?
実家は散らかっていますか?のアンケート図
なんと『はい』と答えたのは84.5%!
ESSE(エッセ) 2014年08月号のアンケート結果です。そして多くの場合、実家を片付けるのは、子供であるあなた…。

いまや4人に1人が65歳以上の高齢者です。年を取れば、気力も体力も落ちるし、疲れやすくなり、判断力も鈍ります。昔は綺麗だった実家も、老いた親だけの暮らしでは徐々に片付けられなくなって当然なのです。(そしてあなた自身も、いつかは片付けられなくなります。)

親の家の片付け」本がベストセラーになり、本屋で平積みされているのは、多くの人が直面している問題だからではないでしょうか?

実家の片付けをするきっかけ

東洋経済 2014年 8/23号では、ビジネス誌であるにもかかわらず「実家の片づけ」特集を組んでいます。そして、Amazonの「ビジネス一般・経済の雑誌」カテゴリーでベストセラー1位です。(2014/08/30現在)

この東洋経済 「片付け特集」のアンケートによると、実家の片付けのキッカケは、「親の死去」が47.4%と最も多くなっています。ただしこの場合は、親が存在しておらず、遺品整理と言ったほうが適切かもしれません。
実家の片付けのきっかけアンケート図
問題は、残りの52.6%のケース。親が住んでいる実家を片付ける場合です。

・親が片付けさせてくれない
・モノが捨てられないので片付けにならない
・ごみ袋に入れるそばから親がごみ袋をあさる

親が家に住んでいる中での片付けの苦労が、実例とともに生々しく紹介され、「悩んでいたのは自分だけではなかった」と、大きな反響を呼んでいるようです。

そもそも実家を片付ける理由は?

高齢者が救急搬送される原因の一番は転倒で、およそ80%と圧倒的に多くなっています。落ちると合わせると、90%です。
実家を片付ける理由の図
参照:東京消防庁:救急搬送データから見る高齢者の事故

このうち住居などでの転倒がおよそ60%だそうです。片付いていない家は、キケンがいっぱい! 高齢でケガをすれば、寝たきりになるリスクが高くなります。介護を必要とせず、元気に長生きしてもらうためにも、片付けが大切なのです。

別の見方をすると、生活に支障がなく危険さえなければ、無理にモノを捨てる必要はないということです。もしスペースが許すのなら、モノはとっておいてもいいのです。

「実家の片付け」というと、どうしても、モノを捨てる⇒親が捨てさせてくれない⇒困った!どうしよう!!となってしまいがちですが、そもそもモノを捨てるのが目的ではありません。

『住みやすい環境に整える』ことが目的です。この目的達成のためのひとつの手段が、片付けでありモノの処分ですが、そうしなくても目的が達成できるのであれば、それで良いのです。

例えば、年老いたので、生活スペースをコンパクトにして一階だけにし、二階の奥の部屋を物置にしてしまっても良いでしょう。屋外物置や屋根裏部屋があるなら、そこに詰め込んでもよいでしょう。

その後の生活で、親が「もう処分していい」と決断したり、モノがあることさえ忘れてしまったり、処分を任せてくれるようになる時まで、(あるいは縁起でもないですが死後まで、)捨てるのを先延ばしできるならそれで構わないと思います。ただし、スペースがない場合は、この手は使えません。

実家を片付ける難しさ

スペースがなくて捨てないと片付けられない場合や、家が不要品で溢れてかえっている場合、あるいは同居のため新しくスペースが必要な場合などは、いよいよ「親のモノを捨てる」という難題に直面してしまいす。

モノ不足の中、「もったいない」文化で育った世代です。捨てることができずに溜まった「親のモノ」を、代わりに捨てるというのは、本当に困難なことでしょう。親が捨てることを拒み、険悪なムードになってしまうかもしれません。

勝手に捨てれば喧嘩になるし、かといって捨てなければ片付けられず、必死の思いで片付けたそばから元に戻されて・・・と、一筋縄ではいかない実家の片付け。雑誌や記事の中で印象的だった言葉をピックアップしてみます。

  • 親のモノを捨てる罪悪感と、なんでこんなにも…という怒りと
  • 親の愛を感じる懐かしさで、片付けている間は胸がいっぱい
  • もったいない世代が残したモノたち、がんばって生きて来た証だから悩む
  • 親のモノを片付けていくことは、親の老いを受け入れ、親の思いを理解すること

自分のものではないからこその『捨てる辛さ』もあるのでしょう。

実家の片付けNGワード

実家を片付けるときの鉄則は、「捨てる」という言葉を使わないことです。「整理して住みやすくしよう」といった前向きな言葉で語るようにしましょう。NHKあさイチ「どうする?親の家の片づけ」で紹介された、「親を傷つけるNGワード」をご紹介しておきます。

  • こんな物までとっておいて
  • もういらないでしょ
  • 前はキレイ好きだったじゃない
  • 何でできないの
  • やってあげているのに
  • 私が大変になる
  • 捨ててよ!

どれも、自分が言われたとしたら傷つく言葉ばかりですね。

実家の片付けを成功させるには?

実家の片付けは、自分の片付けとは勝手が違います。自分が生活しやすいように片付けても、親が生活しづらかったら失敗です。例えば、あなたの身長ではなく、親の身長で使いやすいようにモノを収納すべきです。

また、急いで進めないこともポイントです。できる限り、親のペースに合わせてあげて下さい。また、真夏や真冬など気候・天候の悪い時や、親が調子の悪い時は、片付けをしないようにしましょう。

親とコミュニケーションを図りながらじっくり観察

まずは、親とのコミュニケーションを大切にしましょう。ここでのポイントは、「受容」「共感」。親の捨てられない気持ちを、全面的に受け入れて肯定してあげて下さい。カウンセリングをするわけではありませんが、話が通じるようになる為には、親と気持ちが通じないと前に進みません。まずは徹底的に、「話を聴く」ところから始めるのが良いと思います。

次に、親の動きをじっくりと観察してみてください。どこで何をするのか、使いにくそうにしているのは何処か、どうしてあの場所がすぐ散らかるのか。いろいろと気付く点が出てくると思います。「どうしたら親にとって安全で住みやすい家になるのか」というヒントが隠されています。

小さな成功体験から

片付けを始める際には、親の執着が少なそうな場所を、何気なくちょっとだけ掃除するようにしましょう。一番のオススメはトイレです。

トイレや洗面所など、毎日使う場所が安全で過ごしやすくなると、親も片付けの効果を実感できます。

捨てる動機付けと自己達成感

捨てられない理由が「もったいない」だったら、「誰かの役に立つ」というのが、手放すきっかけになります。もしも寄付できるようなものなら、寄付を提案してみてはいかがでしょうか?

例えば冬服なら路上生活者の支援物資になりますし、日用品・生活用品は児童養護施設へ、食品はホームレスの支援、本の寄付は外国人支援センターや日本語学校の子ども達に、バザーで販売できるものや未使用のハガキなど換金できるものは難民や恵まれない子どもたちに寄付できます。

物品寄付の受け付けは、下記サイトの情報を参考にしてみてください。

他にも活用したいのが、リサイクル
捨てるのではなく、「リサイクルしよう!」と、リサイクルショップに持っていく方法です。引き取れないモノは、有料で処分してくれるショップもあります。金属など再利用できる部品は、たいてい引き取ってもらえます。

このようにして、無理なく捨てることができたとき、つまり、自分で判断して「手放した」と思えたとき、本人は「自分で出来た!」という自信に繋がります。この自己達成感の積み重ねが、「捨てられない」を克服するのに大切なことです。

逆に、勝手に捨てられたり、無理やり捨てさせられたりすると、反発を招いてしまい、片付けを続けることが困難になってしまうリスクがあります。

ここまで来ると、なんだかコーチングスキルのようですね。

大量のゴミ処分に注意

ゴミが大量だったり、大型ゴミや粗大ゴミがある場合は、クリーンセンターに持ち込み処分をしたり、業者に引き取り処分を依頼する必要が出てきます。

ゴミの処分は、捨て主(業者に依頼した場合は依頼主)の責任です。自治体のルールにのっとって処分しましょう。一番のオススメは、自治体の清掃課に相談してみることです。

特に、ゴミ処分を業者に外注する際に、気をつけねばならないことがあります。それは、お住まいの自治体が認可した「一般廃棄物運搬処理業」の資格を持った業者のみが、ゴミの収集運搬ができるという点です。無認可の業者は、違法営業です。万が一、不法投棄でもされたら、依頼主の責任を問われる可能性だってありえます。

ゴミの量が多い場合、まずは自治体に相談してみましょう。

片付け術を駆使しよう

では実際に、実家の片付けをしていくために、まずは心構えと準備です。

  • 親の意見を尊重しよう
  • 親に、理想の暮らしを想像させよう
  • 判断に時間がかかることを理解しよう
  • こだわりのなさそうなものから始めよう

そして、捨てられない人向けの片付けテクニックなど、活用できるものは役立てていきましょう。

実家を片付ける7つのテクニック

  1. 親と一緒に片付ける
  2. 「2年以上着ていない服は捨てる」など、処分のルールを親と一緒に作る
  3. 奥から片付けて、モノを置くスペースを作っていく
  4. 大きなものから処分する
  5. 「要」「不要」「後で」の3つのダンボール箱を用意し、それぞれに入れていく。「後で」は1年間は捨てない
  6. 両親がいる場合、父親と母親、別々に片付けを手伝う
  7. 親の目線に合わせた収納をする

あなたは実家を片付けられますか?

毎日新聞の小国綾子記者のコラムで、「親家片」についての記述がありました。「親家片」は「おやかた」と読む新語で、親の家の片付けのことです。

結局、「親家片」はただの片付けではないのだ。戦中戦後の貧しい時代を生き「もったいない」と捨てられない老親の思いが痛いほど分かるからこそ、捨てるのは難しい。自分の親だから割り切れない。そして許せない。

私にもその日はやってくる。大阪の家をいつか妹と片付けるのだろう。「親家片」を通して子供は親と出会い直すのかもしれない。小さな長屋での新婚生活の邪魔にならぬよう、わざと小さく仕立ててもらったという50年前の母の嫁入りだんすを、私は捨てられるのだろうか。

引用:発信箱:親家片(おやかた)=小国綾子 - 毎日新聞

片付け術やテクニックではどうしようもないのは、親子だからこその心情のようなものですね。

実家の片付けを成功させるウルトラCの技

「親子だからできない」といったことや「家族だからやりずらい」といったことは、たくさんあると思います。例えばカウンセラーは、自分の家族のカウンセリングは出来ないといいます。

それは何故かというと、「立場」が違うからです。家族に対しては、父とか母とか子供という立場があります。それを完全に排除して、カウンセラーという立場になるのが難しいのです。

では、片付けに関しては、どうでしょうか?
親が「どうしてそんな風に片付けたの?」と怒りをぶつけてきた時に、『先生がそうおっしゃったのよ』と答えられたら、どうでしょう?

子供が立場的に先生になることは難しいですが、片付けの先生と呼ばれる人たちがいます。整理収納アドバイザーやライフオーガナイザーなど、片付けの理論と実践を、資格として学び、片付けのプロとして活動しているアドバイザー達です。

とくに高齢者は、「先生」という響きには抗しがたいものがあるのではないでしょうか?

親を納得させるために、アドバイザーと一緒に片付けるというのも、ひとつのアイデアだと思います。そしてもちろん、片付けのプロが作業をアドバイスしてくれるのですから、片付けも整理収納も、素人の人間がするよりも、ずっと良いものになるでしょう。

片付けの専門家に依頼するメリット
  1. 親が安全で住みやすいようにプロのやりかたで整理収納できる
  2. 『先生がそうして下さったのよ』という魔法の言葉

全国の整理収納アドバイザー/ライフオーガナイザー紹介

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