少子化が進み、たくさんの兄弟姉妹がいる家庭は少なくなりました。
それだけ親の目が子供に行き届くわけですが、逆に現在は親の過干渉が問題になっています。親の過干渉は子供の自主性を奪い、好奇心・探究心の芽を摘んでしまうからです。
子供の好奇心・探究心を大きく育てるために、今、親にできることは何でしょうか?
イタズラは大目に見よう
よく小さい子がやるイタズラに、おもちゃを分解して壊してしまうというものがあります。「こら!」と叱りたくなりますが、本人は壊す気なんてなかったのです。ただ、おもちゃの中身がどうなっているのか知りたかっただけ。悪気はありません。
「なんでこの時計は動くんだろう?」とか、「どうしてこのおもちゃの車はスイッチを押すと走るんだろう?」というような疑問から、時計やおもちゃを分解したり、電池を取り外してみたり……。ちょっと目を離した隙に子供はイタズラします。親にとっては「イタズラ」ですが、子供にとっては探究心から起こした行動です。なるべく大目に見てあげられる部分は大目に見て、子供を叱らないようにしましょう。
子供の「どうして?」に答えよう
2〜3歳になると、子供は親に向かって「あれは何?」「どうして?」と頻繁に質問するようになります。親は、面倒がらずにできる限り答えてあげましょう。分からないときでも突き放さず、一緒に考えてあげましょう。今はネットで簡単に調べることができますが、おすすめなのは図書館です。子供向けに分かりやすく説明してある図鑑やこども百科、絵本などがあります。色々な本に接することで、知識や想像力がどんどんふくらんでいきます。
児童文学作家の加古里子さんは言っています。「面白い、もっと知りたい、と思う探究心こそが学びの原動力。知識を理解できる形で示してさえやれば、子どもは、自分の力で道を開拓していく」と。
親は子供に無理に学ばせようとするのではなく、子供の好奇心・探究心が満たされるように、そっと手助けしてあげれば良いのだと思います。大切なことは、子供が自分で考えているときは先回りしたり、安易に答えを教えることなく、じっと待って見守ってあげることでしょう。
外遊びをいっぱい楽しもう
小さな子供にとって、外遊びはワクワクドキドキすることの連続です。
散歩していたらタンポポを見つけた。犬にほえられた。珍しい花が咲いている。いろんな形・色の落ち葉が落ちている……。好奇心の大きな子供は、このひとつひとつに立ち止まって瞳をキラキラさせます。親は、できる限り子供に付き合ってあげましょう。このひとつひとつが、子供の探究心を育てます。
家の中ではできない水遊びや砂遊びも、子供にとっては刺激がいっぱいです。
子供が高いところから飛び降りるのは、どのくらいの高さなら大丈夫なのか試しているのです。親は、少々の怪我なら気にせず、いっぱい体を使った遊びをさせてあげましょう。いろいろ試しているうちに、どのくらいから危なくて、どこまでなら大丈夫なのか、体の感覚が把握できるようになります。こういう子供は、転んでも大怪我することはあまりありません。
最近は、転び方が下手で大怪我をする子供や、ボールを捕ったり避けたりすることができずに大怪我をする子供が増えていることが問題になっています。小さいうちに外遊びをいっぱい経験させることは、子供の体を守るためにも必要なことなんですね。
【参考文献】
※熊本日日新聞平成26年6月14日総合版「子どもの探究心伸ばして」
※熊本日日新聞平成26年6月14日総合版「遊ぶ子は育つ(環境の変化 体と心に影響)」