シニア世代がまだ幼少のころ、みんなでカブトムシを取りに行ったり、草むらの中をみんなで汗だくになって走り回ったりした思い出がある人は多いと思います。
都心部でも結構空き地があって空地には夏草が茂って子供たちの遊び場になっていました。
そこへ行くと、今の若者は草むらで遊んだ経験もありませんから虫なんて大の苦手です。
昔は、ゴキブリを見かけてきゃあーっと叫び声をあげるのはもっぱら若い奥さんだったんですが、今は若い夫がオーッと雄たけびを上げれば若妻が殺虫スプレーを持って駆け付ける時代です。
「最近の若いもんはなっとらん」とお思いの方も少なくないでしょう。
でも、時には本気で恐れなくてはならない虫もいます。
ハチ(蜂)
知る人ぞ知る恐ろしい虫です。
ハチに刺されると御存じのように非常に痛くてまた赤くはれ上がります。ハチ毒が体に入るからです。
子供なら間違いなく泣いてしまいます。
しかし、ハチの恐ろしさはただ痛い、腫れるという事だけではありません。
ハチが本当に恐ろしいのは2度目にかまれたときです。
ハチにかまれると体内に抗体ができます。そのため2度目にかまれたときには激しく拒否反応が出来るのです。
これがハチアレルギーです。
アレルギー症状は時にはアナフィラキシーショックといって重篤な症状を起こしてしまいます。
じんましん、発熱、呼吸困難などの症状を引き起こし、やがては意識障害を起して、最悪死亡する場合もあります。
ハチアレルギーの恐ろしさはその発祥の早さにもあります。
だいたい、刺されてから15分程度でおきます。山の中にでもいれば、とても病院にたどり着くことができない早さなのです。
日本では毎年30〜40件のハチの事故が起きています。特に、スズメバチの被害は甚大です。
自分が子供の時、絶対にハチに刺されたことはないと確信している人は少ないと思います。
ハチには近づかない事です。
カ(蚊)
カに刺されるなんて日本の夏の当り前、というかむしろ風物詩なんて思っていませんか?
実はカにもアレルギーがあります。
通常は即時型で刺されてすぐに痒くなり腫れます。
遅延型は刺された日の翌日に症状が出てきます。
時には一週間たっても痒みが引かない場合もあります。
カアレルギーも体質によっては死亡する場合もあります。
カにさされてかゆみが長引く場合には皮膚科の診断を受けて早いうちに対処しましょう。
ブユ(ブト)
ハチやカは指す虫ですがブユ(ブト)は噛む虫です。
噛まれるとチクッと痛む程度なんですが、しばらくしてから毒が効いてきます。
痛み、痒みはもちろんですが1,2週間発熱する場合もあります。
水辺に多い虫なので水辺に近づく時には長ズボン長袖を心がけましょう。
アブ
アブも刺されると非常に痛くまた発熱などの症状を伴うことも多い虫です。
オオトビサシガメ
ブユと同じく噛む虫で山にいます。
噛まれると非常に痛いので注意が必要です。
ムカデ
ムカデもおなじみのかまれて痛い虫の代表です。
大きなムカデにかまれると大人でも一週間程度は痛みが続きますし、時には発熱も有ります。
ムカデの毒もアレルギー症状が出ることもあります。
セアカゴケグモ
毒クモも一種で外来種です。
1995年大阪で発見されてから様々な地域で見つかるようになりました。
噛まれたら激痛に襲われその後発熱などの症状が現れます。手当てが遅れると皮膚が腐るなど重篤な症状があり時には死亡することもあります。
セアカゴケグモにかまれたときには温水でよく洗い流し、迅速に医療機関へ行きましょう。
包帯などはしない方がいいです。
マダニ
マダニは人間や動物の血を吸う虫ですが、一度かみつくと1,2週間は寄生して血を吸い続けます。
マダニが吸い付いているのを見つけても無理に引きはがすことはせず直ぐに皮膚科へ行きましょう。
無理に引きはがすとマダニの体の一部が人間の体内に残り害をおよぼす。
マダニは山野に生息します。
山野に出かける時には布目が細かい生地の長袖長ズボンでズボンのすそは靴の中に入れましょう。
帰ったらすぐにマダニが付着していないか全身をを確認。頭髪の中もしっかり見ましょう。
もしも見つけたらすぐに皮膚科に行きましょう。
アナフィラキシーショックの可能性、子供や高齢者は注意!
これらの虫はそれぞれその虫特有の毒を持っています。
ハチのアナフィラキシーショックは有名ですがムカデなどもアナフィラキシーショックの可能性はあります。
基本的に、アレルギー症状は個人差が大きく人によって何ともない人もいれば死に至るほどのショック症状を起こす人もいます。
どの毒はアレルギーがあってどの毒にはないという事は言えません。
また、アレルギーが有ればアナフィラキシーショックの可能性があります。
これらの症状は、体力のない小さな子供や高齢の方に強く出る傾向があります。
夏は汗をかきますから虫が寄ってきやすいのです。
草むらや山野を歩く時には必ず長袖長ズボンを心がけましょう。