節分が近いので、鬼が出てくる絵本をご紹介します。
鬼といっても、この絵本に登場する鬼はちっとも怖くありません。
「おにた」という気のいい鬼が主人公で、こんな鬼がいたら、節分に豆まきして鬼を追い出すなんてできなくなってしまいそうです。いわさきちひろさんの絵が優しく、可愛らしくて魅力的です。
中身はこんなお話です。
病気の母を看病する女の子は何も食べずにお腹を空かせています。母を思いやって我慢する女の子に、「おにた」は食べ物を持ってきてくれるのです。女の子を思いやる「おにた」の姿に心が温かくなります。鬼というより、妖精のイメージに近いかもしれません。こんな鬼がいたら素敵ですね。
※『おにたのぼうし(おはなし名作絵本2)』文・あまん きみこ 絵・いわさき ちひろ)、ポプラ社、1969年