ほとんどのシニアにとって、ダイエットは大切な課題です。
運動や食生活に十分気を付けなければいけないことは重々承知しているのに、なかなか節制できない方も多いと思います。いろいろなダイエット方法が提案、宣伝されていますが、今回はダイエット茶の勉強をしてみたいと思います。
ダイエット茶は大きく分けると、次の5種類に分類されます。
- 脂肪燃焼を促すお茶
- 脂肪の吸収を阻害するお茶
- 糖質の吸収を阻害するお茶
- 体内の老廃物を排出するお茶
- 食欲をおさえるお茶
(1)脂肪燃焼をサポートするお茶
このタイプのお茶は飲めばダイエット効果があるというのではなく、エクササイズや日頃の生活の中の運動によって起きる脂肪燃焼を効果的にサポートするものです。ウォーキングやジョギング、スイミングなどの30分程度前に飲むと効果的です。
アーティチョーク茶(ノンカフェイン)
血中のコレステロールを下げ、脂肪の分解を促進します。野菜として知られているアーティチョークですが、ハーブティーとしてダイエットに利用されています。もちろん、野菜として食べてもダイエット効果が期待できます。
緑茶(煎れ方によっては強力なカフェインがあります)
緑茶に含まれるカテキンは、体脂肪の燃焼をサポートする効果のほか強い抗酸化作用や殺菌作用、血糖値の上昇を抑制する作用で知られています。このカテキンを高濃度にして配合したものが、スーパーやコンビニなどで市販されている「ヘルシア緑茶」などです。
(2)脂肪の吸収を阻害するお茶
この種類のお茶は、脂っこい食生活の人に向きます。食前、食中、食後に飲むと効果的です。
烏龍茶(カフェイン有)
植物自体は緑茶と同じものですが製造工程の中で発酵過程のあるものが烏龍茶です。烏龍茶には、烏龍茶独特の烏龍茶ポリフェノール(烏龍茶重合ポリフェノール)が含まれています。烏龍茶ポリフェノールには脂肪吸収を阻害する作用があります。烏龍茶の中でも良質で高価なものに鉄観音茶や高山茶などがあります。
烏龍茶のカフェイン濃度を上げずに烏龍茶重合ポリフェノールだけを強化して商品化したものが「黒烏龍茶」です。
黒豆茶(ノンカフェイン)
黒豆の皮に含まれるアントシアニンとシアニジンが脂肪の吸収を抑えます。眼精疲労にも効果があるお茶です。
プーアール茶(弱カフェイン)
プーアール茶は烏龍茶よりさらに発酵を進めたもので、黒茶という種類に分類されるお茶です。重合ポリフェノールとリパーゼという脂肪分解酵素を含んでいます。重合ポリフェノールが脂肪吸収を抑え、リパーゼが脂肪の燃焼をサポートします。また、天然サポニンやミネラル類を多く含んでいるので健康的にダイエットができます。
カフェインは緑茶や烏龍茶より少なくなります。プーアール茶は脂肪の燃焼を助ける働きと、脂肪の吸収を阻害する働きと両方の働きでダイエット効果をあげます。
(3)糖質の吸収を阻害して肥満を防止するお茶
消費されなかった糖質は体脂肪として備蓄されます。脂肪を燃焼、吸収阻害しても余分な糖質を摂れば脂肪は増えていきます。
この種類のお茶は食事前、食中、食後に飲むと効果的です。合わせて脂肪の吸収を阻害するお茶を飲めば、食事の糖分と脂肪両方の吸収を阻害するのでダイエット効果が上がります。
肥満が気になる人のほとんどが間食に甘いものを食べます。コーヒーや紅茶の代わりに糖質吸収阻害作用のあるお茶を飲むようにしましょう。
ガルシニア茶(ノンカフェイン)
インドから東南アジア原産のオトギリソウ科の植物で正式名称は「ガルシニア・カンボジア」といいます。
ヒドロキシクエン酸(HCA)が糖質の吸収を穏やかにするため、食後血糖値を上げ過ぎず、またそのあと下がり方を穏やかにするので空腹感が起きにくくなり間食を減らします。
菊芋茶(ノンカフェイン)
菊芋は北アメリカ原産のキク科の植物です。イヌリンという水溶性の食物繊維を含んでおり、イヌリンが脂肪や糖質の吸収を阻害します。イヌリン自体は果糖が結合した多糖類で、体内で消化され最終的にフルクトオリゴ糖になり小腸では吸収されず大腸までいってビフィズス菌の栄養分になります。腸内環境を整えるため、ダイエット効果のほかにも便秘解消やアレルギーの改善にも作用します。
ギムネマ茶(ノンカフェイン)
正式な名称はギムネマ・シルベスタといいインド原産の植物で糖質の吸収を阻害する働きがあります。そのため、食後血糖値の急激な上昇を抑え、また急激な下降もなくなるため血糖値管理がよくなるとともに間食が減る効果もあります。特筆すべき効果は、ギムネマ茶を飲んだ後には甘みを感じなくなるので食欲の抑制にも役立ちます。
ただ、糖質吸収阻害とともに鉄分の吸収も阻害してしまうので、ギムネマ茶を利用するときには鉄分の管理が必要です。虫歯予防にも効果があります。
サラシア茶(ノンカフェイン)
サラシア茶は、インド原産の樹木の根の部分を使用したお茶です。インド医学のアーユルヴェーダでは非常に古くから使われています。その血糖値抑制効果はWHO(世界保健機関)でも認められているほどです。
独自成分のサラシノールとコタラノールが糖質の消化を抑制しそのまま排出します。そのため、体質によっては軟便になる可能性もあります。
たんぽぽ茶(ノンカフェイン)
タンポポの根を乾燥させたお茶で、コーヒーのような風味があるためタンポポコーヒーとも呼ばれます。水溶性食物繊維であるイヌリンを含んでいるため糖質、脂質吸収阻害効果があります。利尿効果も高くデトックス茶としても期待できます。
(4)老廃物や余分な水分を体外に出す(デトックス)効果のあるお茶
老廃物や余分な水分はそれだけでも肥る原因になりますが、さらに脂肪を溜め込む要因になります。
リンデンウッドティー(ノンカフェイン)
リンデンの木部をチップにしてお茶にしたものです。強力な利尿作用があり老廃物を排出します。また、この働きのおかげで腎臓の機能が改善して血中コレステロール値をさげます。
ネトル
ネトルはヨーロッパではデトックスのために利用されるハーブティーです。むくみを解消して、余分な脂肪つかない体質にします。
(5)食欲を抑える
ギムネマ茶
ギムネマ茶は、飲んだ直後に甘みを感じなくなることで食事がまずくなります。食事を切り上げたい時に飲むと暴食を避けることができます。また、間食も防止できます。
最後に
非常に古くから、薬草として様々なお茶が飲まれてきました。これらを活用してダイエット効果を上げたいものです。ただ、糖質や脂質の吸収を阻害してくれるからといって節制しなくてもいいという話には残念ながらなりません。
これらのお茶は節制のサポートをしてくれるお茶です。