瀬田貞二さんは日本の代表的な児童文学作家です。

多くの翻訳を手がけ、中でもトールキンの『指輪物語』、C.S.ルイスの『ナルニア国ものがたり』が有名です。
絵本でも翻訳や民話の再話などで大きな功績を残しています。

今回は、瀬田貞二さんの絵本の中から10作ご紹介します。

ふるやのもり

瀬田貞二さんが昔話をテンポよく再話しています。次々に起こる新しい展開にワクワクドキドキする楽しい絵本です。「どろぼう」と「おおかみ」の勘違いから巻き起こる滑稽の連続に笑いが止まりません。思いがけない猿の逸話にも注目です。
この絵本がデビュー作となる田島征三さんの大胆で迫力のある絵も楽しんで下さい。

かさじぞう

かさじぞう(瀬田貞二 再話、赤羽末吉 画、福音館書店、1966年)

かさじぞう(瀬田貞二 再話、赤羽末吉 画、福音館書店、1966年)

瀬田 貞二
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皆さんご存じの『かさじぞう』を、瀬田貞二さんが流れるような美しい日本語で語っています。伝聞調の語りが魅力的なので、是非音読して耳を澄ましてみましょう。「ゆきがもかもかふってきた」、「すっぽりめしをさくさくたべて」など、昔語りの擬音語が耳に心地よく響きます。
老夫婦の貧しくても心優しい姿に心が和らぎます。赤羽末吉さんの味わい深い絵が素敵です。

おんちょろちょろ

1970年に月刊「こどものとも」で発行された昔話が絵本になりました。
道に迷った男の子がお寺の小僧と間違えられて、苦し紛れに滅茶苦茶なお経を唱えます。ところがこれを聞いた老夫婦はありがたがって……。
話の意外な展開に引き込まれます。思いがけない偶然が度重なるところに笑いが生まれ、読者を楽しませます。お経の面白い響きにも注目です。

ねずみじょうど

「おむすびころりん」と似た昔話です。伝承された地域によって、話の細部が異なるのはよくあることです。
登場するねずみたちが歌う歌が面白く、お喋りしているねずみたちを想像すると楽しくなります。ところが、楽しげな雰囲気は一転。欲張りな隣りのおじいさんが迎える結末は恐ろしく、教訓的です。世界絵本原画展優良賞受賞作品でもあります。

おなかのかわ

タイトルからどんな話かと思ったら、全く荒唐無稽のとんでもないお話でした。
けちんぼで食いしん坊の猫が、びっくり仰天の行動に出ます。まさかまさかの展開に驚くやら不思議に思うやら、一体この後どうなるのかとドキドキします。子供たちと一緒に話の展開を予想しながら読むのも楽しいですね。
村山和義さんの描く絵が楽しくお洒落で、配色がとても綺麗です。

おだんごぱん

ロングセラーのロシア民話です。子供に読み聞かせすると、懐かしい気持ちになる親御さんも多いことでしょう。
「おだんごぱん」が繰り返し同じ歌を歌うのですが、聞いているうちに繰り返しのリズムが楽しくなってきます。意外な話の展開に子供たちもびっくりです。
おだんごぱんに描かれた顔もユーモアがあり、心に残ります。

三びきのこぶた

日本で出版されている『三びきのこぶた』には、いろんなバリエーションがあります。中には残酷な表現を避けたものもありますが、こちらの絵本はもとの昔話に忠実です。だからこそ、大事なテーマがしっかり読者に伝わります。
こぶたとおおかみの知恵比べが楽しいです。山田三郎さんの描くこぶたとおおかみの表情が豊かで、味わい深い絵本になっています。

三びきのやぎのがらがらどん

ロングセラーの名作絵本です。
読み聞かせにおすすめで、子供たちに人気の絵本です。どんどん盛り上がっていく話の展開に、ドキドキします。声色を変えながら、楽しんで読んであげて下さい。
マーシャ・ブラウンの迫力のある絵が魅力で、特にトルロの絵が恐ろしいです。インパクトが強いので、一度読んだら忘れられない絵本です。

きょうはなんのひ?

きょうはなんのひ?(瀬田貞二 作、林明子 絵、福音館書店、1979年)

きょうはなんのひ?(瀬田貞二 作、林明子 絵、福音館書店、1979年)

瀬田 貞二
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両親のために精一杯のプレゼントをしたいという女の子の気持ちがいっぱい詰まった絵本です。小学生の女の子が、とても手の込んだプレゼントを考えて、実行します。宝探しのようで、謎解きもあり、ワクワクドキドキしながら先をどんどん読みたくなります。
温かい家庭の匂いが伝わってくる素敵な絵本です。謎が解けた後もう一度読み直すと、改めて気づくことがあって二度楽しめます。
女の子に人気の絵本です。

あふりかのたいこ

アフリカに、動物を次々に殺すフランス人がやってきます。射撃の腕を自慢するためです。道案内のタンボは、それを見ていて耐え切れなくなり……。
読んでいて、このフランス人が最終的にひどい目に遭うのではないかと思っていましたが、そうではありませんでした。大切なことは何か、大事なことを見失っていないか、考えさせられる絵本です。
美しい情景が目に浮かび、トンガとタンボのうつ太鼓の音が響いてくるようです。

編集後記

瀬田貞二さんが手がけた本は、長い年月多くの人々に支持され続けるロングセラーがたくさんあります。

是非この機会に、瀬田貞二さんの絵本を通して、古き良き日本語に触れてみて下さい。
お子さんへの読み聞かせにも大変おすすめです。

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