小学生の保護者の皆さんは、お子さんの毎日の宿題についてどう考えておられるでしょうか。

「ちょっと多すぎるのでは?」とか、「保護者が毎日丸つけしたり点検するのは大変!」など、いろんな意見があるでしょう。

今の小学生の宿題について考えてみましょう。

小学生の宿題事情

小学生の宿題の内容や量は、各学校の方針によって全く異なりますし、担任の先生によっても全然違ってきます。
少ないところでは全くなかったり、プリント1枚だけというところもあれば、多いところでは漢字の書き取り、国語と算数と英語のプリント、教科書の音読、計算カード、日記、それに加えて自主学習など盛り沢山です。

最近は昔と違って、保護者に毎日の宿題の丸つけやチェックを頼む学校が増えているようです。子供の宿題が多いということは、当然、保護者の負担も大きくなります。丸つけややり直しはもちろん、子供の音読の評価をつけ、毎日保護者が点検済みというサインをします。親子で一緒に本を読んで、子供の感想と親の感想を両方書くこともあります。親への聞き取りを元に作文を書くなどの宿題も出ます。

学校や担任の先生にもよりますが、宿題が終わらなかった子は、昼休みにやったり、放課後居残りしてやることもあるようです。

中には、定型の問題プリントではなく、手作りで細かく書き込まれた宿題プリントを出す熱心な先生もいます。そういう先生は、子供たちが間違えやすい問題、苦手な分野に特化した宿題プリントを作ってくれます。

「宿題」はどうあるべきか

宿題は、家庭学習の習慣づけと、学校での学習の定着を目的としています。実際、そういう目的で宿題を出している先生が多いです。

しかし本来、学力や学習意欲が異なる子供たちに、一律に同じ宿題を出すのは無理があります。同じ宿題であっても、Aさんには分かり切った内容であり、Bさんには難しく時間がかかる苦行であったりします。もちろんその宿題が、学力と丁度釣り合って学習の定着に役立っている子も一部にはいます。

残念なことですが、学習意欲が高く、学力が高い一部の子供達にとって、毎日の宿題は単調な作業と化していて、時間を無駄にしているように感じることも少なくありません。

強制的にやらされる宿題の多さが、学習意欲を低下させ、勉強嫌いにしてしまう可能性もあるのです。

一方、真面目に頑張っても宿題に時間がかかる子は、寝不足にも繋がり、遊ぶ時間もなくなってしまいます。体調が優れなかったり、夜寝るのが遅くなるようなら、先生に事情を話して宿題を休ませる選択肢もありそうです。また、家庭の事情で宿題をする時間が取れない子もいます。

小学生のうちは、宿題なんてやらずに思いっきり遊んでほしい、家のお手伝いなどもしてほしい、という考え方もあるでしょう。

家庭学習が自主的にできれば、宿題は必要ないのかもしれません。

自主学習の宿題

近年、宿題に「自主学習」を取り入れる学校が増えています。白紙のプリントやノートに、自由に自分の学習したいことを書いて提出するというものです。

これまで「これをしなさい」と言われてやっていた子達が、急に「自分で考えなさい」と言われると戸惑うのは当たり前です。しかし「自主学習」は、他人に強制されず自分の好きな学習をできるのが魅力です。

例えば、もうすぐ漢字テストだから漢字を練習しよう。ひっ算が苦手だから克服したい。文章を書くのが好きだから日記を書こう、などです。

慣れてくれば、自分が好きで興味がある鉄道について調べてレポートを書くなど、自分の興味のある分野をどんどん掘り下げて研究することもできます。何より、自主的に学習する習慣をつけることは、生きていく上でとても大切なことです。

自分で考え、積極的に、主体的に学ぶこと。学習を楽しむ姿勢が子供たちに身につくことが望まれます。

参考文献
※熊本日日新聞2019年9月5日「宿題 家庭に丸投げできぬ」
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