お子さんが中学生・高校生になると、多くのご家庭で携帯電話をお子さんに持たせるようになります。友達との外出も増え、塾通いで交通費や食事代なども嵩みます。皆さんのご家庭では、どこまでをお小遣いとして渡していますか?今回は、中高生へのお小遣いのあげ方と金銭教育について考えます。
1人暮らしを始める練習
お子さんはいずれ大きくなれば、高校を卒業して就職したり、大学に進学して1人暮らしを始め、親元から自立することになります。また、自立して生活するためにもお金の管理能力は重要です。
1人暮らしを始めて急に家賃や光熱費、食費やその他の生活費をやりくりするのは大変なことです。親元を離れる前に、しっかりした金銭感覚を身に付けておくことが望まれます。
子供が大きくなってくると、次第に子供にかかるお金も大きくなっていきます。防犯の面から持たせた携帯電話代、塾まで通う交通費、友達と遊ぶお金、映画や本などの娯楽費……。実際、子供に使っているお金を親子で一緒に書き出してみましょう。そして、それを「必要なもの」と「欲しいもの」に分けます。例えば必要なものは文房具や洋服、靴、交通費など。子供本人が欲しいと思っているものはマンガやお菓子、ゲームや友達との交際費などとします。
子供が小さいうちは、「必要なもの」は親が買ってあげ、「欲しいもの」をお小遣いで買わせるようにします。金銭教育としてお小遣いをあげる際のポイントは、子供が中学生、高校生と成長するにつれて、子供に「必要なもの」を管理・負担させる割合を増やしていくことです。最終的には洋服代や交通費、携帯代など「必要なもの」の費用と、それに「欲しいもの」がいくつか買える金額を加えてお小遣いを渡し、管理させます。金額は親子でよく相談して、無理がない金額を設定しましょう。それでもその金額を超えるような場合には、携帯電話を止めるなど、ペナルティも必要です。
お小遣い以外の金銭教育
子供が中学生になったら、学校にかかる様々な費用について、どのくらいかかっているか本人に知らせるのも金銭教育の一環です。例えば修学旅行にいくら、塾代にいくら、などです。しかし、間違っても受験前にプレッシャーをかけるような言い方はしないように気を配りましょう。おおよそどのくらい教育費にかかっているのか知らせるだけで十分です。
進路を考える際、タイミングを見て自宅の家計についても知らせましょう。準備できる教育資金はどのくらいか、選択によっては資金が不足するので、奨学金を受ける必要があるなど、親子で話し合う機会を持ちましょう。
「人生設計ゲーム」に挑戦
中高生への金銭教育として、遊びながら学べるゲームや教材がたくさん出ています。例えば「人生設計ゲーム」(岐阜大教授 大藪千穂)では、20代から10年ごとに「共働きか専業主婦か」「子どもは何人?」「子どもは公立学校に通うか私立学校に通うか」「住宅購入」など、いくつもの項目を選びながら実際に生活に必要な費用をシュミレーションすることができます。自然災害やリストラ、病気治療などの突然の出費などのカードもあり、より実際的です。
ゲームでシュミレーションすることで、将来どんなことに、どれくらいお金が必要になるのか具体的に学ぶことができます。中高生が自分たちの進路を考え、選択する際にとても役に立つ教材です。是非、参考にしてみて下さい。
【参考文献】
※『子どもにかけるお金の本』 発行者 荻野善之、主婦の友社、平成25年1月10日
※熊本日日新聞総合版平成27年1月24日「お金と人生 楽しく学ぶ」
・「人生設計ゲーム」を用いた金融経済教育の実践(岐阜大学 大藪千穂)