赤ちゃんや子供は体のわりに頭が大きく、バランス感覚もまだ十分に発達していないために転倒しやすいです。大人より視野が狭いために、気付かずに何かにぶつかったり、踏み外して転んでしまうこともあります。
お子さんが頭や体を打ったときの応急手当と、注意のポイントについて知っておきましょう。
頭を打ったとき
傷口から出血しているときは、ガーゼや清潔なタオルなどで傷口が閉じるように圧迫します。
意識がない、吐く、けいれんしているなどの場合はすぐに救急車を呼びましょう。
お子さんが吐いて窒息するのを防ぐために、顔は横向きにして寝かせます。このとき、意識がないからと体を揺さぶるのは大変危険です。
頭を打っていた場合、症状を悪化させる恐れがありますので動かさないように、安静にして下さい。
頭を打ったとき、お子さんがすぐ大声で泣き、その後普段と様子が変わらなければとりあえず大丈夫でしょう。
当日は入浴を控え、2〜3日安静にして下さい。ただし、油断はできません。
頭蓋内出血を起こしているときは遅れて症状が出ることがあります。数日様子を見て容態が変わった場合は急いで病院へ連れて行きましょう。
体を打ったとき
転倒したときは、傷や出血がないか、全身をくまなくチェックします。骨折や脱臼がないか、はれや皮下出血がないかもしっかり確認しましょう。
腕や足がだらりとしていたり、触ると激しく泣くときは骨折や脱臼の恐れがあります。動かすと痛いので、雑誌などを当てて患部を固定し、病院へ行きましょう。
腕や足などを打ったときは、冷たいタオルで打った部分を冷やします。
お腹を強く打ったときは衣服を緩めて安静にし、すぐに病院へ連れて行きましょう。
元気があっても当日は入浴を控え、数日は容態が変わらないか注意して、お子さんを見守りましょう。
自宅で注意すること
お子さんが頭や体を打った後、特に普段と変わらず元気な場合も油断は禁物です。
特に頭を強く打った場合は、その後1週間はお子さんの容態が変わらないか注意深く観察しましょう。脳の中で少しずつ出血している場合は、症状が出るまでに時間がかかることがあります。
次第に顔色が悪くなり、吐き気が強くなるような場合は危険です。すぐに病院へ連れて行きましょう。
意識がおかしくなり、起こそうとしても起きない場合も危険な症状です。お子さんが呼びかけに応じなかったり、うとうとしてすぐに眠り込むようなときはすぐに病院へ連れて行きましょう。
意識がないのを眠っているのと間違える場合がありますので、注意しましょう。寝返りしたり、触ってみて反応があれば心配ないでしょう。
普段と様子が違っていないかよく観察することが大切です。
※子供が転ぶ事故を防止するために、その予防ポイントについては『子供(乳幼児)の転落事故を防ぐには?』をご覧下さい。
参考本
『乳幼児の事故防止と応急手当 わが家の安心ガイドブック』(財団法人母子衛生研究会)