皆さんは、里親制度をご存じでしょうか。
言葉は知っていても、具体的にどんな制度なのかご存じの方は少ないかもしれません。

興味はあるけれど、条件が厳しいのではないかと不安な方もいるでしょう。

今回は、日本の里親制度の現状と課題についてご紹介します。

里親制度とは?

日本には現在、様々な事情で親と一緒に暮らせない子供たちが約4万5000人います。里親制度は、そんな子供たちを家庭に引き取って養育するものです。

「里親」には様々な種類があります。

  1. 養育里親
  2. 養子縁組里親
  3. 専門里親
  4. 親族里親
  5. 短期間の里親
  6. ファミリーホーム

里親に委託される理由は父母の虐待、養育拒否、放任、死亡や行方不明の他、父母の入院や精神障害、経済的理由などさまざまです。それぞれの子供の事情によって、子供が里親家庭にいる期間は異なってきます。

「養育里親」は、子供が自立したり生まれ育った家庭に戻るまで預かります。里子は里親の戸籍には入りません。それに対して「養子縁組里親」は、特別養子縁組を前提としています。養子縁組が成立するまでは里親として育てます。

その他、虐待により専門的ケアを必要とする子供や障害がある子供を育てる「専門里親」、両親が死亡するなどして育てられなくなった子供を親族が育てる「親族里親」があります。

短期間の里親は、例えば保護者の入院や出産などの一定期間だけ受け入れる「短期里親」、週末だけ受け入れる「週末里親」、夏休み期間だけ受け入れる「季節里親」などがあります。
ファミリーホームは、里親が子供を6人まで住居で預かるグループホームです。

里親になるのに特別な資格は必要ありません。ただし、養育に理解があり、経済的に困窮していないことが条件です。里親になるには登録が必要で、制度についての説明を受け、数日間の研修を受けることになります。児童相談所などの家庭訪問や審査があり、認定されます。
里親には養育費として生活費や学校教育費、子供の医療費などが支給されます。

現状

2017年3月現在、日本では親と暮らせない子供たちの81.7%が、児童養護施設や乳児院などの施設で暮らしています。里親家庭やファミリーホームで暮らす子供はたったの18.3%です。これは、先進国の中では随分低い数字です。
例えば、2010年頃の調査では、オーストラリアで93.5%、アメリカで77%、フランスで54.9%が里親などのもとで暮らしています。同じ時期日本は12%でした。

課題

厚労省は2018年度から施策を強化し、里親の割合を今後10年以内に「小学校入学前は75%以上、入学後は50%以上」に引き上げる目標を掲げました。里親の登録数と委託児童数は近年少しずつ伸びていますが、まだまだ制度の周知が課題です。

里親は幼児を希望することが多く、中高生の受け入れが少ないことも課題です。中高生になってから受け入れると、里親との信頼関係を作るのが難しい面もあります。

里親が特別養子縁組を望むケースも多いですが、生みの親が同意せず、なかなか養子縁組が成立しない問題があります。これに関しては、虐待や育児放棄しながら親権を手放さない生みの親への対抗措置として、家庭裁判所が判断する「特別養子適格審判」の導入が現在検討されています。養子縁組里親にとっては、安心して養育を続けていくためにも望まれる制度です。

参考文献
※熊本日日新聞2018年10月18日「里親家庭 普通の日常撮る」
※熊本日日新聞2018年10月21日 特別養子に「適格審判」 虐待実親の不同意に対抗
里親制度等について(厚生労働省)
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