近年、日本で生まれる赤ちゃんの平均体重は年々減っています。

低出生体重児に対する不安を抱える妊婦さんも多いと思われますが、逆に赤ちゃんが大きくなりすぎても様々なリスクが発生します。

今回は、巨大児が生まれる原因やリスク、その予防法について紹介します。

巨大児とは?赤ちゃんが重くなる原因

出生体重が4,000g以上の赤ちゃんのことを「巨大児」と呼びます。平成22年の赤ちゃんの出生体重平均が男女とも2900g代ですから、随分大きな赤ちゃんです。
巨大児には「対称性巨大児」と「非対称性巨大児」の2種類があります。

「対称性巨大児」は遺伝が原因で大きくなった赤ちゃんで、体重が重いだけで何も異常がありません。両親のどちらか、もしくは両方が身長が高かったり、体重が重かったりすると赤ちゃんが巨大児になる可能性が高くなります。親自身が巨大児で生まれた場合も同様です。

一方、「非対称性巨大児」は妊婦が糖尿病の場合に起こりやすく、対称性巨大児に比べて病気のリスクが高くなります。妊婦が糖尿病で高血糖の場合、胎盤を通じて胎児も高血糖になります。すると血糖値を下げるために胎児インスリンというホルモンが分泌され、血糖値が低下します。このインスリンには成長を促す働きもあるため、胎児の体重が増加してしまうのです。

巨大児のリスク 難産のリスク

こうして生まれた「非対称性巨大児」は、呼吸障害、低血糖、低カルシウム血症、多血症、新生児黄疸など、様々なリスクがあるため、出産後注意深く経過を観察する必要があります。また、巨大児の場合、難産のリスクが高まることを妊婦は知っておく必要があります。

赤ちゃんが大きいと産道を通るの時間がかかり、分娩時間が長いほど母子に負担がかかります。医師が危険と判断した場合は、妊婦が自然分娩を希望していても出産途中で帝王切開に切り替えることがあると覚悟しておきましょう。

巨大児は、分娩の際に赤ちゃんの頭は出てきても肩が引っかかって外に出てこられない「肩甲難産」になる可能性が高くなります。無理に出産すると、赤ちゃんが鎖骨や上腕骨を骨折したり、神経を損傷する恐れがあります。

また、胎児が大きいことで産道を傷つけたり、大量に出血する危険性もあります。たとえ安産でも、子宮が通常より大きく広がっていることから、筋肉の疲労によって出産後に子宮が正常に収縮できず出血する「子宮弛緩出血」を起こす恐れがあり、産後の経過には注意が必要です。加えて、出産後子宮が元の大きさに戻ろうと収縮するときに起こる「後陣痛」も通常より痛みが激しいことが考えられます。

予防法

「対称性巨大児」は遺伝的な要因ですので予防できませんが、「非対称性巨大児」は予防が可能です。

まず、妊娠糖尿病を防ぐことを第一に考え、栄養バランスに気をつけながらしっかりカロリーをコントロールしましょう。妊娠中に体重が増えすぎないよう、医師の指導をしっかり守りましょう。

もし、妊娠前から糖尿病にかかっている場合は、医師の指導のもと、しっかり血糖値をコントロールしましょう。必要な場合、インスリン療法も行います。

ウォーキングやストレッチなど、妊娠中も適度に体を動かし、太り過ぎに気を付けましょう。ただし、妊娠中の過度なダイエットは低出生体重児のリスクを高めますので、ほどほどを心がけましょう。

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