2018年3月、ランドセルメーカー「セイバン」が小学1~6年生とその母親計2000人を対象に行ったインターネット調査の結果は驚くべきものでした。

1週間のうち、最も重い日のランドセルの平均重量が6㎏という結果です。

この調査結果を受けて、文部科学省は2018年9月、小学生の持ち物の軽減に向けた工夫をするよう、各教育委員会に通知しました。

子供たちの負担を減らすためにできる対策は何でしょうか。

重いランドセルと脱ゆとり教育

近年、重いランドセルのせいで腰痛や肩こりを訴える小学生が増えています。

整形外科の観点からいうと、腰や肩への負担を避けるためには、ランドセルの重さは体重の15%以下が望ましいそうです。小学1年生なら平均して3.2㎏以下、6年生でも5.7㎏以下です。

しかし、実際はこれより重いランドセルを背負って通学している小学生が多くいます。ちなみに先日、「重い~」と言いながら帰ってきた小学2年の娘の荷物を測ってみたら、5.3㎏でした。小学2年生の負担の目安になる3.6㎏を大きくオーバーしていました。

ランドセルが重くなった大きな理由は、「脱ゆとり」教育で教科書が厚くなったことです。10年前に比べて教科書が3割ほど厚くなり、サイズもB5判からA4判に大型化しました。教える内容が増え、以前に比べて図解が多用されています。これに伴い、ランドセルもA4ファイルが入るように大型化し、重くなりました。

加えて、小学生の荷物は高学年になるほど重くなる傾向があります。セイバンのインターネット調査では、荷物の重さが10㎏以上と答えた小学生が1.8%いました。習字道具や鍵盤ハーモニカ、辞書やクラブ活動の道具など、重い荷物に苦労している姿が思い浮かびます。

小学生は通学距離が長い子は片道4kmです。重い荷物を背負って長時間歩くことで、体への負担、成長への悪影響が心配されます。

学校で始まった対策

文部科学省の通知を受け、各学校で様々な対策が始まっています。多くの学校で行われるようになったのが、持ち物を最小限に減らし、一定の教材を学校に置いて帰るいわゆる「置き勉」です。

同じ日の授業で多くの学習用具を用いる場合は、あらかじめ数日に分けて持ってくるように指導したり、大きい荷物を複数に分けて別の日に持ち帰るように指導することも行われるようになりました。

また、植木鉢や大きな工作作品などは、保護者が学校に取りに来ることもできるようになりました。

しかし、各学校によって対策に差があります。教室に学習用具を置く場所の余裕がない学校もあります。また、「置き勉」することで教材の紛失トラブルを心配する声もあります。

ランドセルの背負い方を工夫しよう

重い荷物を運ばなければならない子供たちのために、保護者は少しでも腰や肩に負担がかからないランドセルを選び、正しい背負い方を子供に教えてあげましょう。

まず、ランドセルを選ぶ際は体にフィットし、軽いランドセルを選びましょう。肩に重さがかかるので、肩ベルトはできるだけ接触面積が広くクッション性があるものがいいです。ランドセルの背中に当たる部分もクッション性が高いものがおすすめです。背負って歩いたり跳んだりしてみて、ぐらつきが少ないものを選びましょう。

購入後、保護者が忘れがちなのが肩ベルトの長さの調節です。小学生は入学から卒業までに身長が30㎝も伸びます。定期的に調節するようにしましょう。調節する際は、背負ったときに背中とランドセルの間に隙間ができないよう、ランドセルが地面に対して垂直になっていることを確認します。隙間があると、ランドセルの重さで後ろに引っ張られてしまうので気をつけましょう。
また、薄着の季節と、冬でジャンパーなどを着て厚着をしている時では2つほどずらして調節する必要があります。

体操服などは手提げバッグではなく巾着袋に入れ、出来るだけランドセルの中に入れるようにすると、両手があいて歩きやすくなりますし、重さの負担も減ります。

保護者はお子さんと相談しながら、持ち運びしやすい工夫をしていきましょう。

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