「ヘルパンギーナ」とは夏風邪の一種で、だいたい6月頃から流行し、7月にピークを迎えて8月頃には流行が落ち着く傾向があります。
これからの季節の流行に備えて、どんな病気か知っておきましょう。
症状
突然40℃近い高熱が出て、喉に小さな水疱ができるのが特徴です。年少児ほど熱が高くなる傾向があり、通常は1〜4日で熱が下がります。
喉が赤く腫れ、水疱ができた上にそれが破れて潰瘍になったりするので、とても痛みます。そのため食べ物や飲み物が喉にしみて飲みこみにくくなることがあります。通常は1週間ほどで治りますが、まれに髄膜炎を合併することがあるので注意が必要です。
治療法
6〜8月の暑い季節に突然の高熱が出た場合は、かかりつけ医でヘルパンギーナではないか確認してもらいましょう。しかし、ヘルパンギーナの場合特別な治療は必要ありません。熱が高い場合は解熱剤などが処方される程度です。
ただ、発熱や喉の痛みで食欲が落ちるので、脱水症には注意が必要です。ジュースや味の濃い食べ物、酸味のある物は喉にしみて痛いので与えない方が無難です。湯ざましや麦茶、薄めたスープなど、口当たりの良いものを与えましょう。経口補水液(OS-1など)やおかゆなどがおすすめです。
赤ちゃんが感染すると母乳も飲めなくなる場合があります。そういう時はスポイトで湯ざましを少しずつ与えるなど、脱水の予防に努めましょう。どうしても水分が取れずに脱水を起こす心配があるときは、至急病院へ連れて行く必要があります。
一度受診しても、その後発熱・頭痛・激しい嘔吐などの症状が出て髄膜炎が心配される場合はもう一度病院へ連れて行きましょう。
注意点
ヘルパンギーナは通常1週間ほどで治りますが、治った後でも便には1〜2ヵ月間はウイルスが排泄されています。赤ちゃんのおむつ替えなどで便に触れる可能性がある場合は、手洗いを徹底させましょう。日常生活で手洗いとうがいをしっかりやることが感染予防に繋がります。
ヘルパンギーナに感染した子供の半分くらいは全く症状が出ず、自覚症状もありません。そのため気付かずに他人にうつすことも珍しくありません。一度かかると免疫ができますが、ヘルパンギーナにはいくつか型があるため、違う型のウイルスに感染すると再度発症する可能性があります。
【参考文献】
※くまにちあれんじ 2017年6月3日子育て応援クリニックQ&A「ヘルパンギーナ」
※「0〜6才 赤ちゃんと子どもの病気とホームケア」学習研究社、2008年