あべ弘士さんは、大人気絵本『あらしのよるに』シリーズの絵で有名な絵本作家です。

北海道の旭山動物園で25年間飼育員を勤め、その後絵本作家になったという変わった経歴の持ち主です。

満天の星空に月とオオカミ
動物に対する深い知識と愛情、ユーモアが感じられる絵本をたくさん描かれています。

新世界へ

新世界へ(あべ弘士 作、偕成社、2012年)

新世界へ(あべ弘士 作、偕成社、2012年)

あべ 弘士
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あべ弘士さんが、北極のスバールバル諸島へ旅をして実際に見てきたものを絵本にしました。
主人公は「オオジロガン」です。北極から3000キロ以上遠くのイギリスや北海沿岸まで、約1ヶ月かけて親子で旅をします。北極の雪や氷に覆われた広大な大地、オオジロガンが飛んでいく雄大な景色。多くの動物たちが暮らす大地や海を越えて、「約束の地」を目指します。美しく、圧倒される絵本です。

あらしのよるに

あらしのよるに(きむらゆういち 作、あべ弘士 絵、講談社、2000年)

あらしのよるに(きむらゆういち 作、あべ弘士 絵、講談社、2000年)

きむら ゆういち, あべ 弘士
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大人気シリーズ『あらしのよるに』の1作目です。この絵本は、講談社出版文化賞と産経児童出版文化賞JR賞を受賞しています。
オオカミとヤギが暗闇の中で出逢い、そうとは知らず仲良くなってしまいます。思い込みで進む会話のやり取りが笑いを誘い、この後どうなるのかと読者はドキドキします。
あべ弘士さんが描くコミカルな絵と、表情豊かなオオカミとヤギの顔に注目です。

ゴリラにっき

ゴリラにっき(あべ弘士 作、小学館、1998年)

ゴリラにっき(あべ弘士 作、小学館、1998年)

あべ 弘士
1,430円(12/07 08:10時点)
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小学館児童出版文化賞受賞作品です。
ゴリラの子が日記をつけるという奇想天外なお話ですが、読んでいるうちに本当にありそうな話に思えてくるから不思議です。
ゴリラの「ごんた」は毎日いろんなことに興味津々。人間の子供のように好奇心いっぱいで、毎日楽しそうに暮らしています。生き物の神秘や自然の美しさ、動物に対する深い愛情が伝わってくる絵本です。

ひるねのね

ゾウの家族が集団でぞろぞろと移動していきます。エサや水を見つける度に立ち止まって食事をするのですが、家族みんなが一番小さなあかちゃんゾウを自然と守っています。
ゾウの仕草の細やかな部分は、流石、飼育員経験がある作者だと感心します。ゾウの日常がよく分かります。家族に守られて安心しきっているあかちゃんゾウがとても可愛らしい。愛情いっぱいで、安心感が得られる絵本です。小さいお子さんに読んであげて下さい。

クロコダイルとイルカ

クロコダイルとイルカ(ドリアン助川 作、あべ弘士 絵、メディアパル、2013年)

クロコダイルとイルカ(ドリアン助川 作、あべ弘士 絵、メディアパル、2013年)

作:ドリアン助川 絵:あべ弘士
1,320円(12/07 08:10時点)
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2013年に上映された映画『じんじん』から生まれた絵本です。
嫌われものの名もないクロコダイルが、「アヤカ」という名のかわいいイルカの女の子に出逢います。思いがけない「アヤカ」のほほえみに固まるクロコダイル。クロコダイルの何かが、この時変わります。
読むといろんな疑問が次々と浮かんできて、とても切ない気持ちになります。次第に変わっていくクロコダイルの表情に注目です。あべ弘士の描く海の情景がただただ美しく、心に残ります。

おおきくなあれ

おおきくなあれ(あべ弘士 作、絵本館、2017年)

おおきくなあれ(あべ弘士 作、絵本館、2017年)

あべ 弘士
1,100円(12/07 08:10時点)
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赤ちゃん向けの絵本です。
アザラシやカバ、サルなど、動物園で見かける動物たちがたくさん登場します。作者のあべ弘士さんは25年間も飼育員をやっていただけあって、それぞれの動物の特徴を捉えた一味違う動物絵本になっています。カバの赤ちゃんって水の中でおっぱい飲むの?アザラシの赤ちゃんて真っ白なんだ!など、この絵本をきっかけに子供たちが動物に興味を持ってくれるのではないでしょうか。

エゾオオカミ物語

エゾオオカミ物語(あべ弘士 作、講談社、2008年)

エゾオオカミ物語(あべ弘士 作、講談社、2008年)

あべ 弘士
1,650円(12/07 08:10時点)
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北海道に昔住んでいたエゾオオカミが絶滅した経緯を、フクロウがモモンガの子供たちに語って聞かせるという内容です。
エゾオオカミは、ほんの100年ちょっと前には生きていました。アイヌの人々とは共存できていたのです。なぜエゾオオカミが絶滅したのか。生態系のバランスが崩れたのはなぜか。重いテーマを読者に突きつける絵本です。
対象年齢は5~6歳からです。

カワセミとヒバリとヨタカ

カワセミとヒバリとヨタカ(あべ弘士 作、小学館、2016年)

カワセミとヒバリとヨタカ(あべ弘士 作、小学館、2016年)

あべ 弘士
1,430円(12/07 08:10時点)
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長年動物園の飼育員をやっていたあべ弘士さんの、生き物を見る観察眼は素晴らしいです。ここにはカワセミとヒバリとヨタカの三種類の鳥が登場しますが、その特徴と、一瞬の動きを捉えた描写は、生き物に対する深い知識に支えられています。
ヒバリが他の鳥の真似をして失敗する姿から、人としての生き方についても考えさせられるユニークな絵本です。

きょうのシロクマ

あべ弘士さんが、北極をひと月探検して描いたという絵本です。
シロクマはアザラシを食べますが、狩りは難しく、10回に1回捕まえられるかどうかだそうです。この絵本では、シロクマがアザラシを狩る様子を描いています。
「どこでも、生きていくのは大変」と言っているあべ弘士さんですが、ここに描かれているシロクマは何だか可愛らしくて、ネズミを追いかけている猫を連想させます。

どうぶつえんガイド

旭山動物園で長年飼育員を勤めたあべ弘士さんが、その経験をもとに書いています。
身近で動物たちを観察してきただけあって、普通の人は知らないような興味深い動物知識が豊富です。何より、実体験をもとにしたエピソードが楽しい。読むと、作者の動物に対する深い愛情と、動物の生態を面白がる子供のような好奇心が伝わってきます。
動物が好きなお子さんに特におすすめですが、大人にとっても面白い内容です。

編集後記

あべ弘士さんが描く動物たちはユーモアに溢れて生き生きとしています。飼育員としての長年の経験や、北極の野生動物に出会う旅などを通して、作者が捉えた動物たちの特徴や性格、生き様が読者に伝わってきます。
読むと、もっと動物のことを知りたくなる。あべ弘士さんの絵本はそんな絵本です。

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