人からいただいたモノが捨てづらく手元に残ってしまいがちなのは、くれた人の気持ちがこもっているからですが、だからといって自分で買ったモノや作ったモノなら簡単に捨てられるというものでもありません。
過去への現実逃避
例えば、一生懸命勉強したテキストやノート、手帳や日記などがそうです。この世に二つとないモノであることはもちろんですが、自分史が綴られているとも言えるモノたちであるだけに、手放したら自分の過去まで消えてしまいそうで、つい捨てられないのです。
筆者もつい最近まで、留学時代に使っていたモノすべてを大事に保管し、時々引っ張りだしては、当時の楽しかった想い出や、もっとああすればよかったという後悔に逃げて、現在や未来を見ようとしない日々を送っていました。
世界に一つしかない自分の過去もその時の想い出もすべてなくなってしまいそうで、気づけば十数年間も保管していたのです。
執着を断ち切る
それではいけないと本気で思ったのは、過去のモノへの執着がモノを大事にする行為のように見えて、実は自分をそこに縛りつけている行為に過ぎないと気づいた時でした。
思い切るまでには時間がかかりましたが、学校のテキスト、レシート、手帳、日記、手紙、メールなどを処分しました。最初のうちはそれらを探しかけて、もうないのだと思うと寂しく心細い気持ちになりましたが、その一方で、いくらか心が軽くなっている自分にも気づきました。
もうなくても大丈夫
このように、前に進めない原因が実はモノだったということもあります。この時頑張った自分がいたから今の自分がある、もうなくてもやっていける、というモノと心の整理整頓ができるようになれば、きっと前向きな自分に再び出会えることでしょう。