今のシニアが中高生の時にスニーカーという言葉が一般化しました。おしゃれなティーンエイジャーがスニーカーというものを履きだしたのです。それまではズック靴または運動靴と言う呼び名でした。

スニーカーと言うものにもブランドがあって、革靴よりも高価なものがあるのだということを知ったのはシニアが20歳前後のことだったのです。ほんの10年ぐらい前までは高価なスニーカーが大流行しました。今も何万円もするスニーカーは根強い人気があります。

それよりも今、シニアの間に大流行しているのがウォーキングシューズです。一昔前の介護シューズとは趣きの違うおしゃれ感のあるものです。本来、ウォーキングシューズはウォーキングの時にはくものでした。そのため、丈夫で長時間歩いても疲れないのが特徴です。

最近はシニアといえば食事だろうが買い物だろうが、ウォーキングシューズです。なのでウォーキングシューズにも、ヒール付きのものが現れました。シニア女性のパンツスタイルを綺麗に見せるためには足長効果がどうしても必要なのです。結果的に、今ウォーキングシューズやスニーカーはとてもややこしいことになっています。

インヒールというシークレットブーツのようなタイプもあります。ペタンコシューズに見せかけて実は中にヒールを仕込んであるものです。そうかと思えば靴底全体が2-
3cmもある厚底のスニーカーもあります。もう、本来の歩きやすいと言う目的とはかけ離れたものがたくさん出回っているのです。

さて、シニアが靴を選ぶ時に気をつけたいこととは、どのようなことでしょうか?

サイズ(足の裏の長さ)

靴を選ぶ時には、誰でもが一番先に基準にするのが足の裏の長さです。23cmとか25cmとかいうものです。まずはこの長さが合わないことには話になりません。一般的につま先に1cm程度余裕があるものが歩きやすいと言われていますが、シニアの場合にはつま先の余裕は全くなければ困りますが、もうすこし少な目の方がつまづきを防止できます。

ほとんどの人は、左右の足の長さが違います。靴を選ぶ時には、大きい方の足にあわせてサイズを選びます。そして、小さい方の足には中敷きを敷いて調整します。

長さを決める時に一緒にチェックしたいのがつま先です。つま先の形は人によって大きく違います。先が尖った靴ほどつま先が窮屈になりますが、先の丸い靴でも足の形にあっていなければ特定の指が痛くなります。特に痛い指がないかをしっかりチェックします。

シニアの場合、足の上げ方が小さくなっているので、つま先が引っかからないことが大切です。
特に高齢になるとすり足で歩く人も多いので靴底のつま先部分が厚かったり、つま先が尖って長かったりすると転倒のもとになります。つまづき防止の観点からいうと、つま先の丸い靴がもっとも安全です。

つま先は地面と密着せず少し反っている靴がつまづきの防止になります。靴底がつま先より前に出ているデザインは、つまづきの原因になるのです。

ワイズ(足の裏の幅)

その次が足の裏の幅です。EEとかEEEとかいうものです。実際に靴を選ぶ時には、デザインによって5mm程度の誤差は普通に出てくるので、靴を買う時には実際に履いてみないと自分にあうかどうかはわかりません。靴は試履のフィット感や心地よさで選ぶのです。

日本人は家にいる時には靴を脱ぐので、靴の快適性に少し鈍感だと言われています。靴は横幅が快適性を決定づけるといっても過言ではありません。日本では横幅の広い靴が楽だと思われていて、シニアになるほどEEやEEEを愛用する人が多いようです。一度も専門家の測定を受けずに自分はEEEやEEEEなのだと思っているシニアが圧倒的に多いのです。

しかし、幅が広すぎる靴を履いていると外反母趾になる可能性があります。外反母趾といえばハイヒールが原因だと思われていますが、横幅が広すぎる靴が原因になることも多いのです。靴を買う時には靴の幅もしっかりチェックしましょう。

足の幅は日によっても変わるし、特に朝と夕方では大きく違いがあるのは誰でも知っていることです。このような足幅の微調整に便利なのがひも靴です。ひもの締め方で幅の調整がきくので、履く時には少し面倒ですが疲れ難い靴です。長時間歩く時には、ひも靴がおすすめです。

ひも靴の長所に脱ぎ履きの手軽さを加味するために発案されたのがサイドファスナーです。
これは日本人の生活にあわせたアイデアで海外にはありません。ひもで横幅を調整しておいてから、脱ぎ履きはサイドファスナーで行うのです。しかし、一日に一度は靴紐をしめ直さなければ、ひも靴の最大の長所である横幅の微調整はできません。

足入れ 脱ぎ履き楽ちんはいい靴なの?

履き込みが深い靴の方が足の甲がしっかり支えられるので、疲れにくくなります。できることならくるぶしをしっかり被って支えるチャッカーブーツぐらいの深さがもっとも歩きやすい形です。

ここまで深い靴でなくても、履き口と足の間にすきまができないことが足が疲れない靴の大きな条件です。こう考えると、パンプスはとても疲れる靴ということになります。近年は、パンプスの履き口にシャーリングをつけたり、甲部分をしっかり支えるような幅広のストラップをつけた靴もあります。観劇や食事程度なら違和感がないようにデザイン的な工夫を試みたものです。

どちらにしても、さっとつっかけられるような脱ぎ履きの楽な靴は家用ということです。また、靴下も厚手と薄手ではサイズもワイズも違います。冬用と春夏秋用で靴のサイズは違うと考えた方がいいのです。

かかと(ヒール)

かかとがしっかりした作りになっている靴は、しっかりかかとを支えるので楽に歩けます。足をくじいたりするリスクも減ります。スニーカーは歩きやすい靴ですが、往々にしてかかとの作りが柔らかすぎることがあります。

また、かかとがくるぶしに当たっているとひどい靴づれをおこします。完全にくるぶしを被うかくるぶしにまったく当たらない靴を選びましょう。

かかとは、クッション性があるものが望ましいので若干の厚みは必要です。ただし、素材はゴムのような弾力性のあるものが理想的です。ヒール高は高くても3cmまでにしておきましょう。礼装用でもパンプスでもサンダルでもヒールは3cmを限度にしましょう。3cm以上になると疲れやすく、また、くじきやすくなるからです。

靴底

靴底は靴の命ともいえる部分で、靴底がしっかり土踏まずにフィットしていないと疲れやすくなります。足の骨格と同じラインの靴底が理想的です。

そして、指の付け根の踏み込みの部分が柔かい作りになっていて、靴底が足に添うようにしなう靴が楽に歩ける靴です。従って厚底の靴はシニアにはむきません。また、地面の凸凹にも対応しやすいように、靴底全体にある程度の柔らかさがあることが大切なのですが、あまりにも柔らかいと足を支えきれないのでくじく要因になります。

靴底には凹凸がないと滑りやすいので凹凸のあるものを選ばなければなりませんが、逆に凹凸が深すぎたり、生ゴムなどを貼ってあると靴が地面に引っ張られる形で姿勢が前のめりになってしまうので注意しましょう。

靴のお手入れも大切

これだけの条件をもった靴はお値段もそれなりに高くなります。しかも、歩きやすい、ウォーキングにむいている靴ほどよく消耗します。少しでも長持ちさせるために日々のケアがかかせません。

毎日同じ靴を履き続けると消耗の速度も早くなります。できれば、2足の靴を交互に履き分けることをおすすめします。

靴は、週に一度はブラッシングして汚れをおとします。最初にブラシをかけてから布で汚れを拭き取ります。その後で靴クリームをぬって撥水スプレーをしておきます。

靴は用途によって履きわける
  • 家にいて庭へ出たり徒歩5分以内ぐらいの買い物程度に履く靴
  • ウォーキングや長時間歩く外出用の靴
  • 観劇や食事などあまり歩く必要がなく少しきちんとした感じが必要な靴

これらは履き分けた方がそれぞれの靴の寿命が延びます。
家履きだからといってスニーカーのかかとを踏んだものを履いていると足をくじいたりする可能性もあります。

ランニングする時にはランニングシューズを履きましょう。ウォーキングシューズとランニングシューズは設計上大きな違いがあります。靴は目的にあったものを着用すべきです。

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