幼稚園や保育園には保護者の送迎や通園バスで通っていた子供たち。基本的に小学校入学までは、子供たちが一人っきりになる機会は少ないでしょう。

ところが、小学校入学を機に、急に子供たちが一人で行動する機会が増えます。そんな新入生を犯罪被害から守るために、親にできることは何でしょうか。

具体的に対処法を教えよう

防犯標語の「いかのおすし」をご存じでしょうか。

  1. 「いか」→知らない人について「いか」ない
  2. 「の」→知らない人の車には「の」らない
  3. 「お」→危なかったら、助けてと「お」おごえを出す
  4. 「す」→連れて行かれそうになったら、「す」ぐ逃げる
  5. 「し」→近くの大人に何があったか「し」らせる

子供が犯罪被害に遭わないように、学校などでも広められている防犯標語です。この標語をこれから小学校に入学するお子さんに教えるのはもちろん、より具体的に何か起きたときの対処法を教えておく必要があります。

小学生になると、一人で外出する機会が増えます。通学路はもちろん、よく遊びに行く公園や図書館、友達の家など、子供が行動する範囲を親はよく知っておきましょう。実際に親子で歩いてみて、周囲から見通しの悪い危ない場所や、歩道のない交通量の多い道路、注意した方が良い交差点などをチェックして、子供にしっかり伝えておきましょう。

ニュースから防犯対策を考える

平成28年3月、行方不明になっていた当時中学1年生の女子生徒が、2年ぶりに保護される事件がありました。女児生徒が公衆電話から自宅や警察に連絡を取ったことから、今、公衆電話が見直されています。

近年、携帯電話の普及に伴って公衆電話の数は減っています。2000年から2015年にかけて、設置されている公衆電話の数は三分の一以下になっています。それでも、携帯電話を持っていない子供や、何らかの事情で携帯を使えない人にとっては、公衆電話はなくてはならない存在です。

もしもの時のことを考えて、子供に公衆電話の使い方を教えておきましょう。携帯電話を使うと相手の電話番号を覚える必要がないため、両親の携帯電話番号や自宅の電話番号を覚えていないお子さんも多いと思われます。手帳に緊急連絡先の電話番号を記入し、テレホンカードや小銭と一緒にランドセルや子供のカバンに入れておきましょう。「何かあったらこの番号に電話をかけるように」と伝えて、実際に公衆電話を使って練習しておくと安心です。

緊急の場合、警察への「110」番と救急の「119」番は無料でかけられることを教えておきましょう。子供の行動範囲にある公衆電話の場所を教えておくことも大切です。

また、地域によっては「こども110番のタクシー」が走っているところもあります。この場合、子供はタクシーに保護を求めることができます。タクシーから警察に通報してもらえることを子供に教えておきましょう。

ニュースを見ると、子供が巻き込まれる様々な事件が起きています。同じようなことが起こったとき、どう対処すれば良いのか?事件に巻き込まれないためにはどう行動すれば良いのか?夜に子供だけで外をうろうろ歩かない。なるべく一人で帰らないようにする。名前を呼ばれても車に乗ってはいけない。実際に起こった事件をもとに親子で具体的に話し合い、普段から防犯意識を高めておきましょう。

こども110番の家

「こども110番の家」というステッカーを見たことがある方も多いでしょう。主に通学路にある商店が地域活動の一環として行うことが多いですが、一般の民家の場合もあります。いざというときに子供たちが駆け込む避難所です。

子供の行動範囲にある「こども110番の家」を確認し、子供に伝えておきましょう。また、よく通うお店や病院など、必要なときは助けを求めて逃げ込んで良いことを教えておきましょう。近所にある知人・友人の家も同様です。

具体的に教えておくことで、もしものことがあったとき、とっさの判断に迷うことがなくなります。犯罪を想定して模擬訓練しておくと良いでしょう。

【参考文献】
※熊本日日新聞総合版平成28年3月30日「新生活がスタートする春 子どもたちを犯罪・事故から守ろう!」
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