新しい大学入試改革案において、これからは暗記中心ではなく、思考力や小論文などの記述力が重視される方向性が示されました。
すぐに情報検索できる現代、何をどれだけ覚えたかより、その知識を得た上でどう活用するか、今後は知識の応用が求められるようになるでしょう。
子供の思考力、考える力を伸ばすために、親がサポートできることは何でしょうか。
宿題は子供のペースで。簡単に答えを教えてはダメ
毎日たくさんの宿題を持ち帰る小学生を例にします。帰宅したらプリントを出して親に見せる、宿題をする、明日の準備物を用意するなど、ある程度習慣づいたら、親はあまり子供に口出ししないようにしましょう。
「宿題は終わったの?」とか「早くやりなさい」と言いたくなる気持ちは分かりますが、そこはぐっと我慢です。子供は親に指示されるとやる気をなくしたり、機嫌を損ねたりします。
ここで大切にしてほしいのは、子供が自主的に、自分のペースで勉強することです。無理やりやらされると学習意欲が低下してしまうので逆効果です。親の指示通りに動いているだけでは思考力は伸びません。
「夕飯の時間が7時だから、何時までに宿題を終われば大丈夫かな」とか、「このペースでやっていたら遊ぶ時間がなくなっちゃうから急ごう」とか、子供自身が判断して動くのが理想です。
ところで皆さんは、お子さんの宿題を丸つけして間違いに気づいたとき、すぐに答えを教えますか?この時すぐに正解を教えてしまうと、せっかく子供の思考力が鍛えられる機会を奪うことになってしまいます。是非、間違いだけを指摘して、どうして間違えたのか、もう一度子供自身に考えさせる時間を作りましょう。
分からないとき、子供が自分で調べられる環境を作ってあげることも大切です。例えば辞書や事典、地図や地球儀、タブレットなど、可能な限り学習に役立つツールをそろえてあげましょう。教えられるのではなく、自分で調べる習慣をつけることが、考える力に繋がります。
どうしても分からないときは、図形を描いてヒントを与えるなど、子供自身がひらめくきっかけを作ってあげると良いでしょう。
文章問題にたくさん書き込もう
例えば国語の文章問題が苦手なら、文章問題が載っている答案用紙を取っておいて、春休みや夏休みに自主学習に利用してみましょう。使い終わった教科書を利用するのもおすすめです。
やってほしいのは、文章問題にどんどん書き込んでいくことです。「それ」や「あれ」が指すところに棒線を書いたり、述語と主語に波線を書いたりするだけでなく、作中の人物の気持ちや、それに対する自分の感想など、思いつくままどんどん書き込んでみましょう。
大切なのは遊び感覚で、自由にやることです。親が文章問題を使ってクイズを作るのも面白いです。そうすることで、それまで気付かなかった新しい何かを発見したり、より深い読解に繋がったりします。
人に教えよう
思考力を鍛えるためにもうひとつおすすめなのが、「人に教える」ことです。なんで?と思われるかもしれませんが、実際やってみれば分かります。人に教えるということは、その事柄をしっかり理解していないとできないことだからです。その知識に関して不確かな部分があると、他人に教えることが途端に難しくなります。
相手が理解しやすいように言葉を選び、表現することで、自分の理解も深まり、考える力も伸びていきます。
是非、友達や兄弟姉妹間で教え合う時間を作りましょう。対話を通して学んだり、新たな発見をすることも珍しくありません。他人からの刺激を受けることで、より思考力が鍛えられることになるでしょう。