現在定期接種となっている「日本脳炎」ですが、10年ほど前には積極的な勧奨が差し控えられていた時期もありました。

そもそも、日本脳炎とはどんな病気で、発症するリスクはどのくらいあるのでしょうか。予防接種を受ける前に、しっかり理解しておくのは大切なことです。

どんな病気か

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスに感染したブタの血を吸った蚊が、人を刺すと感染する病気です。感染してもほとんどの人は症状が出ません。しかし、100~1000人に1人程度が脳炎を発症し、発症すると致死率は20~40%と高いです。回復しても半数程度は重度の後遺症が残るといわれます。

日本脳炎は、日本を含め、インドや中国、東南アジアなど広い範囲で患者が報告されています。患者数は毎年3万5000~5万人で、そのうち1万~1万5000人が死亡していると推定されています。

日本でも1966年には2000人の患者が報告されるなど、昔は多かった病気です。その後、予防接種が始まり、蚊が繁殖しにくい生活環境が広がっていくにつれ、日本での患者数は著しく減少しました。

近年は年間10人未満の発生ですが、2016年は10人を超える患者が報告されています。多くは50歳以上ですが、子供の患者の報告もあります。

日本脳炎を発症するリスクは?

日本脳炎ウイルスを保有するブタは、西日本から東日本にかけて、毎年広い範囲で確認されています。特に九州や四国・中国地方は保有率が常に高い状況です。そして、日本脳炎の患者が多く報告されるのもやはり西日本です。北海道や東北に比べて西日本の方が感染リスクが高いのは確実です。

しかし、今後は温暖化のため、ウイルスを保有するブタが北へ広がっていくことも十分予想されます。野生のイノシシが日本脳炎ウイルスを保有していたという報告もあります。

北海道や都市部だから安全とは言い切れません。旅行などで西日本へ行くこともあるでしょうし、海外旅行でアジア圏に行く場合は感染リスクが高まります。

予防接種の副作用と特例措置

日本で日本脳炎の患者が減ったのは、予防接種の功績が大きいです。しかし、ADEM(急性散在性脳脊髄炎)などの重い副作用が問題となり、平成17年~平成21年度の期間、予防接種の積極的勧奨を差し控えていました。

その後、マウス脳由来日本脳炎ワクチンから乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンへと変わり、通常の定期接種として使用が開始されたという経緯があります。

そのため、日本脳炎の予防接種に関しては特例措置が取られています。「平成7年4月2日生まれ~平成19年4月1日生まれの方」、及び「平成19年4月2日生まれ~平成21年10月1日生まれの方」は未接種分を定期接種として受けることができるというものです(それぞれ、定期接種として受けられる期間が異なっていますので、対象の方はご確認ください)。

未接種で特例措置の対象となっている方は、是非この機会に予防接種を受けましょう。定期接種の時期を逃し、特例措置の対象からも外れてしまっている方は任意接種(有料)になります。お住まいの地域の感染リスクなどを踏まえて判断しましょう。

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