あまんきみこさんは、数々の賞を受賞している児童文学作家です。
その優しい語り口と、人間観察に優れた目、物事の本質を見抜く洞察力には素晴らしいものがあります。
今回は、あまんきみこの作品の中から、10作ご紹介します。

きつねのおきゃくさま

きつねのおきゃくさま(あまんきみこ 文、二俣英五郎 絵、サンリード、1984年)

物語の中できつねは、ずる賢い動物として描かれることが多いです。この絵本に登場する「きつね」も、最初はまさにずる賢い考えの持ち主でした。
しかし多くの出会いが、「きつね」の心を変えていきます。信頼されれば、信頼に応えたくなる。疑われれば裏切りたくなる。鏡のように反射する「想い」。人間関係を築く上でも多くのヒントを与えてくれる絵本です。
「勇気」の本質を見せてもらった気がします。子供だけでなく、大人の心にも響く絵本です。

おにたのぼうし

おにたのぼうし(あまんきみこ 文、いわさきちひろ 絵、ポプラ社、1969年)

節分が近づくと、毎年読みたくなる絵本です。
病気の母親に心配をかけまいと一生懸命な女の子、そしてその女の子を夢中で助けようとする鬼「おにた」の不器用な優しさ。一つ一つの行為にこめられた優しさが胸を打ちます。
いわさきちひろさんの抒情的な美しい絵が、作品をより魅力的なものにしています。こんな優しい鬼がいたら、好きになってしまいそうです。

ちいちゃんのかげおくり

ちいちゃんのかげおくり(あまんきみこ 作、上野紀子 絵、あかね書房、1982年)

戦争による空襲で家族と離ればなれになり、亡くなる女の子の話です。
あまんきみこさんの文章は淡々としていて、むしろ静かな印象です。しかし、子を持つ親としては泣かずに読めません。
「ちいちゃん」と同じように、大人も子供も関係なく、多くの命が戦争で奪われました。その過去を日本人として忘れてはならないと、痛切に呼びかける絵本です。

ひみつのひきだし あけた?

ひみつのひきだし あけた?(あまんきみこ 作、やまわきゆりこ 絵、PHP研究所、1996年)

絵本『ぐりとぐら』で有名なやまわきゆりこが絵を担当しています。
あまんきみこさんのほんわかした語り口と、やまわきゆりこさんの温かくのびのびとした絵がよくマッチしています。
おばあちゃんの「ひみつのひきだし」の中に入っているものは、貝殻に化石、動かない時計、綺麗な小石、チョコレートの空き缶などなど……。小さな子供たちが気に入って拾ったり集めたりしそうな物ばかりです。見ているだけでワクワクしますね。
ここには、ひとつの幸せの形が描かれています。

ぴんぽんだあれ

ぴんぽんだあれ(あまんきみこのあかちゃんえほん9、上野紀子 絵、ポプラ社、1984年)

10冊あるあまんきみこのあかちゃんえほんの中の1冊です。
繰り返しの表現が小さいお子さんにも分かりやすく、内容は単純です。動物の鳴き声からその動物が何かを当てるという楽しみもあります。お子さんの反応を見ながら、ゆっくり読んであげましょう。答えが分かったら、いっぱい褒めてあげましょうね。
1~2歳におすすめの絵本です。

ちびっこ ちびおに

ちびっこ ちびおに(あまんきみこ 文、わかやまけん 絵、偕成社、1975年)

あまんきみこが表現する鬼は、子供のことが好きな鬼が多いようです。
ここに登場する「ちびおに」は、子供たちと遊びたくて幼稚園に紛れ込みます。3~4歳くらいになると、誰かと一緒に遊びたいという熱烈な願望を持つ子供たちが増えますが、この「ちびおに」も全く同じ様子です。誰とでもすぐ仲良くなる幼稚園の子供たちの姿が眩しいです。
満足して「とぶように」帰っていく「ちびおに」の姿に、こちらまで嬉しくなります。

きつねのかみさま

きつねのかみさま(あまんきみこ 作、酒井駒子 絵、ポプラ社、2003年)

酒井駒子の描く小さな姉弟と子ぎつねたちがとても可愛らしい絵本です。中でも、二本足で立って縄跳びする子ぎつねたちの姿は可愛くて、見ていると心がほんわかとします。
作中の「あたし」(小さな女の子)が語りかけるような文体が独特です。まるで、母親に今日の出来事を聞いてほしくて一生懸命な小さな女の子の言葉を聞いているようです。
相手を思いやる心を教えてくれる絵本です。

まほうのマフラー

まほうのマフラー(あまんきみこ 作、マイケル・グレイニエツ 絵、ポプラ社、2002年)

マイケル・グレイニエツが描く「みどり」が色鮮やかに心に残ります。
この絵本を読む人はまず、「まほうのマフラー」って何だろう?と思って手に取ると思うのですが、最後にその秘密が明かされます。その秘密を知ってもう一度読み返すと、「ぼく」の周囲にいる先生やお母さん、みんなの言動の意味が深く理解できる仕組みです。
小さな男の子の心の成長を描く、切なくも温かいお話です。

ぽんぽん山の月

ぽんぽん山の月(あまんきみこ 文、渡辺洋二 絵、文研出版、1985年)

「やまんば」というと恐ろしいイメージですが、ここに登場する「やまんば」は心優しい恥ずかしがり屋です。
母親の帰りを待つ子ウサギたち。それを見守る色々な登場人物たち。切なさと、愛おしさと、救いを与えてくれるお話です。子ウサギたちが知らないところで起こる優しさの連鎖が、読む者の心を温かくしてくれます。

トントントンをまちましょう

トントントンをまちましょう(あまんきみこ 作、鎌田暢子 絵、ひさかたチャイルド、2011年)

最近の子供たちは、昔に比べて甘酒を飲む機会が減っているのではないでしょうか。私が子供の頃は、年明けによく母が作ってくれたものですが、家庭で甘酒を作るところも減っているでしょう。
この絵本を読むと、寒い季節に飲んだ甘酒の懐かしい味や子供時代を思い出します。是非今の子供たちにも、甘酒の優しい思い出や、花を見て春の訪れを感じる心を持ってほしいと願います。
冬が終わり、春が訪れる季節に読んであげたい絵本です。

編集後記

本当の優しさ、勇気とは何か。言葉では簡単に説明できないものを、物語を通して読者に示して見せてくれる。あまんきみこさんの作品には、読んで深く考えさせられる作品がたくさんあります。
小さなお子さんから大人まで、幅広い年代の方におすすめです。是非手に取って読んでみて下さい。

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