2019年3月、国産で初の液体ミルクが江崎グリコから発売されました。

その翌月には明治からも発売され、8月にはローソンとファミリーマートで液体ミルクの販売が始まります。

今後、日本で消費拡大が予想される液体ミルク。一体どんな商品なのでしょうか。

液体ミルクとは?

粉ミルクは粉を計量し、湯で溶かして冷ます作業(調乳)に時間がかかります。しかし、液体ミルクは清潔な哺乳瓶に移し替えれば常温でそのまま飲むことができるため、大変便利です。製造時に無菌処理済みで、常温で半年から1年保存できます。

開発のきっかけは「熊本地震」

液体ミルクは世界中で飲まれていますが、粉ミルクと併用する国が多く、消費の割合は国により異なります。液体ミルクが広く普及しているフィンランドでは液体ミルクが全体の9割を超えている一方、スウェーデンでは粉ミルクと液体ミルクの割合は半々です。ベトナムやロシア、フランスでは液体ミルクの割合は2~3割で、粉ミルクの方が多く利用されています。オーストラリアでは液体ミルクは病院で使われていて、一般にはほとんど出回っていません。

日本ではこれまで国内で製造・販売されていませんでしたが、2016年の熊本地震の際、フィンランドの企業から液体ミルクが被災者に無償提供され、注目を集めました。2018年、厚生労働省が日本で製造・販売を可能にする規格基準を定め、2019年3月に初めて国内品が発売されます。

その後、スーパーやドラッグストアで液体ミルクを取り扱う店舗が次第に増えていましたが、2019年8月、コンビニ大手のローソンとファミリーマートが取り扱いを始めることが決まりました。

今後、液体ミルクを利用する家庭が日本でもどんどん増えていくでしょう。

災害時と育児の負担軽減に

液体ミルクは災害時の備蓄として注目されています。断水や停電、ガスが止まったときに、液体ミルクなら赤ちゃんにすぐに飲ませることができるからです。

災害時は、ストレスで母乳が出なくなることがあります。粉ミルクの場合、断水のため清潔な水やお湯の確保が難しくなると使えない状況もあります。液体ミルクは、このような場合に役立つと考えられています。

課題は、液体ミルクの賞味期限が半年~1年と比較的短いことです。液体ミルクを災害時のために備蓄する自治体では、物資を無駄にしないためにも、賞味期限が迫った際にどう利用するか考えておかなければなりません。自治体によっては、乳幼児の定期健診の際に配るなどの対応を始めたところもあります。

実際に発売されてみると、液体ミルクはその手軽さから育児の負担軽減になると好評です。粉ミルクに比べて値段は割高になりますが、外出時や夜間の日常的な利用が増えています。

赤ちゃんを連れて外出や旅行をする際、授乳するには一目が気になります。授乳しやすい場所がなかなか見つからないこともあるでしょう。そんなとき、液体ミルクなら持ち運びしやすく、便利です。

また、ミルクを調乳する手間が省けるので、男性の育児参加も期待されています。母親が体調不良の時にも役立つでしょう。

深夜眠いのを我慢して調乳するのは大変なので、夜間だけ液体ミルクにするなど、粉ミルクとの併用も進みそうです。便利なものは賢く利用して、育児の負担軽減に繋げたいですね。

参考文献
※熊本日日新聞2019年4月11日「液体ミルク 育児支援に」
※熊本日日新聞2019年8月9日「液体ミルク コンビニで」
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