画家としてだけでなく、エッセイを書いたり、映画監督をしたり、幅広い分野で活躍する和田誠さん。そんな和田誠さんが手がけた絵本を今回はご紹介します。

ねこのシジミ

ねこのシジミ(和田誠 作、ほるぷ出版、1996年)

ねこのシジミ(和田誠 作、ほるぷ出版、1996年)

和田 誠
1,980円(10/09 04:24時点)
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和田誠さんの猫に対する愛情がよく伝わってくる絵本です。猫を飼ったことがある人は共感できる部分が多く、読みながら「そうそう!」と思わず頷いてしまうかもしれません。
特別なことが描かれているわけではありませんが、ほのぼのとした日常の幸せが読者の心を温かくしてくれます。
猫の表情や仕草が優しいタッチでしっかり捉えられていて、猫好きにはたまらない絵本です。

これはのみのぴこ

これはのみのぴこ(谷川俊太郎・作 和田誠・絵、サンリード、1979年)

これはのみのぴこ(谷川俊太郎・作 和田誠・絵、サンリード、1979年)

谷川 俊太郎
1,980円(10/09 04:24時点)
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谷川俊太郎さんの言葉遊びの文章に、和田誠さんがぴったりの絵を描いた傑作です。
ページをめくる度に新しい文章が追加され、同じ内容を繰り返しながらどんどん文章が長くなっていきます。
集中して読まないと言い間違えたり、言いよどんだりするので気持ち良くない。一息で最後の一番長い文章をしっかり言えたときの達成感は素晴らしいです。
シンプルで、分かりやすく、しかも味のある和田誠さんの絵も素晴らしいです。

はなとひみつ

短編で新分野を確立し、「ショートショートの神様」と呼ばれる星新一さんのお話が、和田誠さんの絵で絵本になりました。
冒頭で花の大好きな女の子が登場して、それからが思いがけない意外な展開の連続です。SF要素もあり、流石「ショートショートの神様」だと納得の一冊です。
シンプルで分かりやすい和田誠さんの絵と、展開が速い星新一さんの文章との相性が抜群です。

あな

あな(谷川俊太郎・作 和田誠・絵、福音館書店、1983年)

あな(谷川俊太郎・作 和田誠・絵、福音館書店、1983年)

谷川 俊太郎
990円(10/09 04:24時点)
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「ひろし」は穴を掘り始めます。何をやっているのか不思議に思って、家族や友達が次々と話しかけてきます。でも「ひろし」は、何か目的があって掘っているわけではなく、何かを作ろうとしているわけでもありません。話しかけてくる人達の中で、ただ一人の理解者が「おとうさん」です。
見開きを縦にして描いた大胆な構図が最後まで続きます。
言葉ではなかなか説明できない感覚的なことを、しっかりと伝える絵本です。

ぬすまれた月

ぬすまれた月(和田誠 作、岩崎書店、2006年)

ぬすまれた月(和田誠 作、岩崎書店、2006年)

和田 誠
1,430円(10/09 04:24時点)
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1963年に出版された絵本のリニューアル版ですが、全く古さを感じさせない絵本です。
月の満ち欠けや引力、日食や月食など、絵で分かりやすく説明する科学絵本の要素に、男が長いはしごを使って月を取ってしまうというファンタジー要素、更に現代にも通じる政治的な問題も織り交ぜ、世にも不思議な絵本が出来上がっています。
少し内容が難しいので、対象年齢は小学生から大人までです。特に、科学好きのお子さんにおすすめです。

密林―きれいなひょうの話

本を開くと、とても可愛らしい絵と綺麗な色彩が飛び込んできます。この絵本で和田誠さんは、落ち着いた穏やかな色合いを使っています。
冒頭、綺麗な斑点が自慢のヒョウが登場します。ところが、くしゃみをしたら斑点が全部落ちちゃった!びっくりの展開に目が離せなくなります。
登場する動物たちも愛らしく、楽しいお話です。
2018年1月、瑞雲舎から復刊されています。

いちねんせい

いちねんせい(谷川俊太郎 詩、和田誠 絵、小学館、1988年)

いちねんせい(谷川俊太郎 詩、和田誠 絵、小学館、1988年)

谷川 俊太郎
1,100円(10/09 04:24時点)
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小学1年生の親子におすすめの絵本です。
初めてひらがなを習ったり、校庭を走り回ったり、好きなクラスメイトができたり、不安と期待が入り混じる学校生活のドキドキが伝わってきます。
子供らしい感性と素朴な疑問、好奇心が描かれていて、1年生ならきっと共感できる部分も多いでしょう。
他にも言葉遊びの詩や、思わず笑ってしまうような詩、真剣に考えてしまうような詩がたくさん収録されています。

ともだち

どんな人のことを「どもだち」って言うんだろう?谷川俊太郎さんが、小さな子供たちにも分かりやすい言葉で具体的に書いてくれています。和田誠さんの絵がシンプルでほのぼのとしていて、どんな場面かすぐ理解できるのも素晴らしいです。
短い文章ですが、読むと考えさせられる内容が多いです。小さい子でも「こんな時に自分だったら…」と考えながら話してくれます。本当に大切なことは何か、気付かせてくれる絵本です。大人にもおすすめです。

どんなかんじかなあ

第11回日本絵本賞受賞作品です。
ここに登場する「ひろくん」は、目が見えない友達、耳が聞こえない友達、震災で両親を亡くした友達の立場になって、「どんなかんじかなあ」と真剣に考えています。
真剣に考え、想像することで、思いがけないことに気付き、感動する。そんな「ひろくん」の姿勢は素晴らしいです。相手の立場になって考えることが理解に繋がる。大切なことを伝えてくれる絵本です。

パイがいっぱい

和田誠さんが、イギリスの童謡「マザー・グース」のような言葉遊びを日本語で作ろうとしてできた絵本です。
韻を踏んだり、数え歌があったり、動物しりとりがあったり……。遊び心がいっぱい詰まった楽しい絵本です。是非音読して、親子で言葉の響きを楽しんで下さい。どんな場面か的確に伝わる、ユーモアある絵にも注目です。

編集後記

和田誠さんは、谷川俊太郎さんと組んだ絵本が有名です。谷川俊太郎さんのユーモアあふれる独創的な詩と、和田誠さんのシンプルでいて表現豊かな絵が相性抜群だからでしょう。もちろん、他の作者とのコラボもおすすめです。
和田誠さんが文章も絵も手掛けた作品からは、作者の優しい人柄とユーモアが伝わってきます。是非手に取ってご覧ください。

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