エッツの代表作で、日本でも小さいお子さんに人気の絵本は『もりのなか』です。

しかし、エッツはそれ以外にも様々な分野の絵本を描いています。

今回は、エッツの作品の中から、皆さんに読んでほしい絵本を10作選んでみました。

もりのなか(マリー・ホール・エッツ 作、まさき るりこ 訳、福音館書店、1963年)

もりのなか (世界傑作絵本シリーズ)

マリー・ホール・エッツの代表作で、日本でも多くの人に愛されているロングセラー本です。
すべてがモノトーンで描かれているのですが、寂しい印象は全くなく、賑やかで、それでいて穏やかな読み心地の絵本です。うっそうと茂った森の中はちょっとした別世界です。たくさんの動物たちが、それぞれ自分のペースで散歩を楽しむのがいいところ。最後、お父さんと息子の信頼関係が読み取れるのもこの絵本の素敵なところです。
この本には続編『また もりへ』があります。気に入った方は続編もどうぞ。

わたしと あそんで(マリー・ホール・エッツ 作、与田準一 訳、福音館書店、1968年)

わたしとあそんで (世界傑作絵本シリーズ)

小さい子は虫や花や動物が大好き。自然の中でそれらに触れ合うとき、とても嬉しそうな顔をしますよね。
この絵本に登場する女の子は、とても素敵な自然の中で過ごしています。遊んでいるうちに、虫や動物と触れ合いたいなら、じっと待つことが大切なのだと悟ります。我を押し付けず、待つこと。これは、友人関係を築く上でも大切なことです。
「ああ わたしは いま、とっても うれしいの」という女の子の笑顔が輝いています。

海のおばけのオーリー(マリー・ホール・エッツ 作、石井桃子 訳、岩波書店、1974年)

海のおばけオーリー

絵本を開いてみるとコミックのようなコマ割りで小さな文字が並んでいるので、ちょっとびっくりします。モノトーンで絵が細かいので、小さいお子さんには難しいかもしれません。5~6歳以降のお子さんににおすすめです。
ストーリーの展開が面白く、気付けばアザラシのオーリーを心の中で応援しながら読んでいます。飼育員の人柄の良さや、マスコミに踊らされる町の人々の滑稽な姿が笑いを誘います。

クリスマスまであと九日(マリー・ホール・エッツ&アウロラ・ラバスティダ 作、田辺五十鈴 訳、冨山房、1974年)

クリスマスまであと九日―セシのポサダの日

1960年米国カルデコット賞受賞作品です。
メキシコのクリスマスの文化習慣を伝える貴重な絵本で、読むとその独特の異国文化に触れることができます。
情景描写が細やかで、国による文化や生活習慣の違いがよく分かります。子供たちが「ポサダの日」をどんなに楽しみにしているか、ワクワクドキドキする気持ちも伝わってきます。
少し内容が難しいので、対象年齢は小学校入学後です。

モーモーまきばのおきゃくさま(マリー・ホール・エッツ 作、たまのうち きよこ 訳、偕成社、1969年)

モーモーまきばのおきゃくさま (世界の新しい絵本)

のどかな春の牧場で、たくさんの動物たちが表情豊かに生き生きと描かれています。
ここで描かれている動物たちの好みの違い、勘違いや思い込み、好意が報われないことなどは、人間社会でもよくあることです。それだけに、気の合う相手を見つけたときの喜びは大きいものですね。
マリー・ホール・エッツが描く世界は、綺麗事ではないありのままの世界です。
絵本の対象年齢は4歳くらいからです。

おやすみ、かけす(マリー・ホール・エッツ 作、まさき るりこ 訳、大日本図書、2008年)

おやすみ、かけす

マリー・ホール・エッツは、アメリカのウィスコンシン州の生まれです。幼少時、湖に近い森の中で多くの動物たちに囲まれて育ちました。この絵本は、動物を身近に感じながら育ったエッツの、生き物に対する深い愛情を感じられる絵本です。
静かな色合いの絵と、穏やかな言葉を聴いているうちに、ふっと眠りに誘われます。お子さんのお休み前に是非、読んであげて下さい。

ロベルトのてがみ(マリー・ホール・エッツ 作、こみや ゆう 訳、好学社、2016年)

ロベルトのてがみ

メキシコからアメリカに移住してきたロベルトの家族は、両親と自分を含めた5人の兄弟姉妹です。小学3年生の長男マルコ以外英語が話せません。貧困や両親の喧嘩、言葉が通じない社会での孤立。移民が抱える問題がありのままに描かれています。
そんな中、一緒に遊ぶ友達ができ、英語を覚えて周囲の人間と意思疎通ができるようになっていくロベルト。文字を覚えたいという強い欲求とともに、劇的に成長していくロベルトの姿が感動的です。

ペニーさん(マリー・ホール・エッツ 作、松岡享子 訳、徳間書店、1997年)

ペニーさん

ペニーさんが愛している大勢の家族とは、馬や牛、豚やヤギなどの動物たち。ペニーさんが甘やかすのをいいことに、のんべんだらりと毎日を過ごしていましたが、ある危機的状況を機に一念発起、働き者に生まれ変わります。
動物たちの表情が人間臭くて面白いです。滑稽で短絡的、それでいて一生懸命なところが微笑ましく、笑いを誘います。動物たちへの深い愛情が感じられる絵本です。

ねずみのウーくん(マリー・ホール・エッツ 作、たなべ いすず 訳、冨山房、193年)

ねずみのウーくん―いぬとねことねずみとくつやさんのおはなし

最初は不仲な犬と猫とネズミが、あることをきっかけに協力し合い、円満な関係を築くようになります。いろんなことを経験して学び、みんなが幸せになる形を見つける犬と猫。その姿を見ていると、人付き合いの在り方について考えさせられます。
エッツは、互いの違いを大切にして、干渉を受けない自立した関係を求めているように見えます。
ネズミ嫌いのおばさんの慌てふためく姿もこの絵本の見どころのひとつです。

ちいさな ふるい じどうしゃ(マリー・ホール・エッツ 作、たなべ いすず 訳、冨山房、1976年)

ちいさなふるいじどうしゃ

ちょっと過激で驚くような内容なので、繊細な方にはあまりお勧めできないかもしれません。わがまま横暴な「小さな古い自動車」がとんでもない騒動を巻き起こします。
こういう横暴なことをしていたらこういう結果が待っていますよ、というところは教訓的な話のようですが、エッツはただ当然の結末を描いているように思えます。
構図にも工夫があって、前後の見通しがつきやすいので、それに気付くと面白いです。
子供たちはこの絵本を読んで、何を感じるでしょうか。

編集後記

エッツは幼少期、多くの動物たちと触れ合う環境で育ったこともあり、動物たちへの深い愛情が感じられる絵本が多いです。愛嬌のある細やかな描写は、動物たちへの愛で溢れています。
一方、移民の抱える問題やメキシコのクリスマスの文化習慣を細やかに伝える絵本など、社会的に評価の高い絵本をいくつも描いています。そこには社会問題を真剣に見つめ、綺麗事ではない現実を描こうとする透徹した眼差しがあります。

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